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〔東京HotLine〕 森氏、小泉首相に不満、ガス抜き狙う? 内閣改造、自民人事で波紋

北國新聞朝刊 2004/10/1付

 郵政民営化実現を最重要課題に掲げて内閣改造、自民党役員人事を断行した小泉純一郎首相に対し、出身派閥・森派会長の森喜朗前首相があらためて不満をあらわにした。30日の森派総会では「首相を支え、協力してきた人にこの人事で一体どのように報いたのか」などとこれまでにない強い口調で注文を付けた。同派所属の県関係3氏の表情にも緊張が走ったが、党内の「森派重用」との批判をかわし、派内の結束を促す狙いを感じ取る向きもあった。

 「一人でやるのなら最初から私に会わなければいい」「もうちょっとのところで勝ち星を挙げられるのに焦って勇み足する力士はたくさんいる。慎重に国家の運営をしてほしい」。総会で首相への不満を示す森氏からは、まるで突き放すような言葉も聞かれた。
  森氏は再三にわたって首相に挙党態勢構築を求めてきたが、今回の内閣改造や党役員人事で首相は「考えておくと言いながら返事がなかった」(森氏)。
  さらに、森氏は郵政民営化について、九月十日に基本方針の閣議決定を強行したため旧橋本派の綿貫民輔前衆院議長らとの会談がキャンセルされたと指摘。「やりたい人たちだけで中央突破してもうまくいかない。一歩下がることも大事だ」と訴えた。
  約四十分という異例の長さとなったあいさつで、森氏の口調が一段と厳しさを増したのが、森派から五人が入閣し「森派重用」との批判が出ていることで、「極めて不愉快で、ありがた迷惑だ。誰が五人も入れてくれと言ったか」と首相に疑問を投げ掛けた。
  「首相出身派閥の会長として批判の矢面に立とうとしたのだろう」。馳浩代議士は総会後、公然と首相への不満を示した森氏のあいさつに驚きを隠せない様子だったが、首相の後見人として党内のガス抜きをしたとの見方を示した。
  二十七日に閣僚名簿が確定するまで議員会館で待機した沓掛哲男参院議員は「我々の気持ちを代弁してくれて感激した」と語り、岡田直樹参院議員は「独走を続ける首相への最後通告」と森氏の発言を受け止めた。

 馳、沓掛、岡田の三氏はいずれも、党人事、内閣改造後の新体制下で存在感を示そうと走り出している。
  馳氏は文部科学政務官を退き、参院議員時代を含め、四回目となる国対副委員長に就任した。文部科学や厚生労働の部会長就任への意欲も党本部に伝えている。
  沓掛氏は二十八日、国会内に青木幹雄参院議員会長と片山虎之助同幹事長を相次いで訪ね、「国会対策や政策の審議で汗をかけるポストにぜひ就かせてほしい」と申し入れた。参院政策審議会長や筆頭副幹事長など「党務で経験を積み、再び初入閣に望みを託す」(関係者)狙いとみられる。
  一方、岡田氏は二十七日、七月の参院選で初当選した四人とともに勉強会を発足させた。ただ、安倍晋三幹事長代理の弟の岸信夫氏(森派)が会長に就き、「ポスト小泉」で安倍氏を待望する党内若手の動きを絡めた見方もあり、森氏からも「森派が派閥膨張に動いていると誤解されないよう気をつけてほしい」とくぎを刺されたという。
  三氏は「首相の友人として」苦言を呈す森氏の心中も察しながら、首相批判が高まる党内の綱引きに目を凝らしている。

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