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北陸新幹線、金沢までフル着工 重い扉開き次の局面へ

北國新聞朝刊 2004/12/11付

 「フル規格着工」という石川にとって重い、重い扉がようやく開いた。政府・与党が北陸新幹線富山―金沢(松任車両基地)の来年度着工で合意した十日、石川県や県議会には歓喜というより、四十年近い要望活動が実ったことに安堵(あんど)の空気が広がった。郷土に新幹線が走る日が現実となり、「その日」に向け次は新幹線で人を呼び込むまちづくりなど新たな課題への挑戦が始まる。【1面に本記】

●用地買収、在来線は?
 十二月定例会開会中の県議会には午前の一般質問後、北陸新幹線富山―金沢の来年度着工”当確”の知らせが広がった。「県民挙げての長年の苦労がここに結実した」。午後の一般質問で最初に登壇した藤井義弘氏(自民)は急きょ、事前通告になかった政府・与党合意への見解を谷本正憲知事に求めた。
 これに対し、谷本知事は「交流基盤拡大に向け、小松空港、能登空港に続き北陸新幹線という大きな手段を手に入れた」と原稿なしで語り、ハード面の整備を生かし、観光客誘致などソフト施策の充実に取り組む姿勢を強調した。
 石川県内では一九九二(平成四)年、富山県境からJR金沢駅付近の約二十一キロで北陸新幹線の高架橋工事などが始まった。しかし、フル規格の路盤に在来線のレールを敷くという「スーパー特急方式」での整備であり、工事の九割が完成する中で、フル規格着工のこれ以上の先延ばしは許されない状況に追い詰められていた。
 「最後に政治主導で方針を決めたことに意義がある」(北村茂男自民党県連幹事長)。県議会では、厳しい財政状況下でも、与党を中心に投資効果の高い事業として整備新幹線建設促進の姿勢を明確にしたことを評価する声もあったが、富山―金沢着工はもはや規定路線との見方が強く、「(着工まで)長かったというのが正直な感想だ」(宇野邦夫新進石川幹事長)との声も漏れた。
 県は来年度政府予算編成での富山―金沢の着工費計上を待って、金沢―松任車両基地の約十一キロについて用地買収作業を本格化させる。並行在来線の経営分離問題にも直面し、枝線となるJR七尾線の経営問題が浮上する可能性がある。
 山出保金沢、西村徹小松の両市長は十日、政府・与党が福井駅先行整備で合意したことを「金沢以西への道筋がついた」と歓迎するコメントをそれぞれ発表したが、金沢開業までにまだまだ乗り越えるべきハードルは残っている。

●「よくここまで来た」 森前首相、県関係国会議員に感慨
 北陸新幹線の金沢開業に道が開けたことで、与野党の県関係国会議員にも感慨と喜びが広がった。整備新幹線建設促進で最前線に立ってきた森喜朗前首相は「まあやれやれだ。ここまでよく来たなあというのが、正直なところだ」とホッとした表情をのぞかせた。
 「北回りが原点であり今後もレールを伸ばしてほしい」(瓦力代議士)との声の一方で、「富山との同時開業に意味がある。金沢を中心にした生活経済圏の構築が大切だ」(馳浩代議士)との指摘もあった。
 作業部会メンバーの沓掛哲男参院政審会長は「金沢以西の延伸も担保され、大きな成果だ。北陸にとってこれ以上ない満額回答」と胸を張り、岡田直樹参院議員は「先人の努力でここまで来た。開業にこぎつけるのが我々の世代の仕事だ」と語った。
 民主党の奥田建代議士は「長い活動を続けている人たちとともに素直に喜びたい。ただ道半ばであり、歩みを止めたくない」、一川保夫代議士は「開業年次をもっと明確に示せば民間企業の動きにもつながる」とそれぞれ指摘し、政府に金沢以西への延伸を求めていく考えを示した。

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