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〔Hot東京〕 森氏、「非安倍勢力」をかく乱? 自民党総裁選、福田氏不出馬の舞台裏 先月末から公言せず 福田氏、21日に森氏に一任

北國新聞朝刊 2006/7/23付

 ポスト小泉で「安福同門対決」はあり得ない―。自民党森派会長の森喜朗前首相は先月二十九日から、このことを知っていた。福田康夫元官房長官から直接、九月の党総裁選に出馬する考えがないことを聞かされていたからだ。福田氏の意思を知りながらあえて口にしなかった理由を、森氏は福田氏の意向に配慮したとするが、党内では森、福田両氏がだんまりを決め込むことで「非安倍勢力」をかく乱し、他派閥の候補擁立を遅らせる狙いがあったとの見方も出ている。

二十一日午後、都内の森氏事務所で、森、福田両氏が向かい合った。
 「この土日(二十二、二十三日)は持たないかもしれない。そろそろはっきりされたらどうですか」と総裁選不出馬を表明するよう促す森氏。福田氏は「会長にお任せします」と答えたという。
 最初に福田氏から不出馬の意向を聞かされた時も、森氏は「出馬を期待する国民もいる。出ないなら出ないと政治家の責任で明かすべきだ」と諭していた。ただ、福田氏は「出ると言ったことがないので出ないという必要もないのでは」と躊躇(ちゅうちょ)していたという。
 当初は福田氏の意向を尊重していた森氏だったが、安倍晋三官房長官と福田氏を中心に「ポスト小泉」レースがじわじわ過熱する中、派内では分裂を懸念する声も強まってきた。
 森氏の動きは連休明けから加速した。十九日には都内のホテルで安倍氏と会い、福田氏不出馬の意向を伝え、「時期を見て福田さんにあいさつしアドバイスを受けるべきだ」と助言。安倍氏は森氏に福田氏と三人で話し合う場を調整してほしいと求めたとされる。
 二十一日の懇談で、福田氏の了解を得た森氏は二十四日に自ら出演するテレビ番組で、福田氏の意思を明かすつもりでいた。だが、その後の展開の速さは森氏の”嫌な予感”が的中した。両氏の面会からわずか数時間後「福田氏不出馬」のニュースが永田町を一気に駆けめぐったのである。

ポスト小泉をめぐっては、早い段階から「本命・安倍氏」「対抗・福田氏」と目されていた。これに対し森派以外の「非安倍勢力」は福田氏の出馬に期待。ここ一カ月間で、「安福同門対決」を予想する空気はさらに強まった。
 その一方で、世論調査でも安倍、福田両氏に大きく水を空けられた麻生太郎外相、谷垣禎一財務相の存在感はかすんだ。党内には「今のところ、森派の思惑通りにことが進んでいる」と見る向きは少なくない。派閥分裂を避け、森派から三代続けて首相を出すことが同派にとって最も望ましいシナリオであるからだ。
 森氏は二十一日、福田氏不出馬の意向が一斉に報じられたことについて「福田さんはアジア外交を考え、総裁選で靖国神社参拝が争点となることを避けようとした。安倍氏の決意が固ければ、それをつぶす人ではない」と福田氏の胸中を思いやった。だが、福田氏不出馬で「非安倍勢力」の動きが加速するとの見方があることに関しては「そんな簡単にはいかないだろう。それぞれの駆け引きもあるし、思惑も違う」と思わせぶりな一言も漏らした。

●派閥一本化でも受け止めさまざま 県選出の森派4氏
 福田氏不出馬に対する県選出の森派国会議員四氏の受け止め方はさまざまだった。
 馳浩文部科学副大臣は「これで従来通り、安倍氏支持の態度を鮮明にできる」と歓迎。北村茂男代議士も「結論が出たのなら歓迎すべきこと。派閥がまとまって総裁候補を推せる態勢ができた」とした。ただ「いつでも登板できるエースが控えていた方がチームは強い」とも語り、五十一歳と若い安倍氏を温存し、福田―安倍氏ラインで派閥の力を保つべきだったとの考えもにじませた。
 沓掛哲男国家公安委員長・防災・有事法制担当相は「福田さんは靖国神社参拝が注目される来月十五日まで結論を出さないと思っていた」と驚きを隠せない様子。岡田直樹参院議員は「福田氏本人が公の場で発言したわけではないので、今の時点では何とも言えない」と慎重に構えた。

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