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空港活性化策、新長期構想に反映を 石川県政懇談会で国会議員 新幹線開業、減便にらみ 谷本知事 小松、能登の機能強化急ぐ
北國新聞朝刊 2006/8/9付
自民党の県選出国会議員と谷本正憲知事の県政懇談会は八日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニで開かれ、谷本知事は交流人口の拡大に向け、小松、能登両空港の機能強化を急ぐ考えを強調した。ただ、北陸新幹線金沢開業で羽田便の減便が避けられないとみられる中、集客効果を高める具体的な手だては示されず、国会議員側からは新幹線開業後の空港のあり方を、県の新長期構想に盛り込むよう求める声も上がった。
谷本知事は冒頭、人口減少時代に対応するために交流人口の拡大が重要なテーマになると指摘。小松空港では本滑走路のかさ上げ工事が十月に完了し、年内に供用開始されるとみられており、冬期間の民航機運航に万全を期す姿勢を強調した。
小松―上海、ソウル便についても搭乗率の安定に努めるとし、将来の国際線増便をにらみ、駐機スポットの増設などで協力を求めた。能登空港では秋にも完成する二基目のボーディングブリッジ(旅客搭乗橋)を活用して台湾など国際チャーター便の利用促進を支援する考えを示した。
これに対し、国会議員側からは二〇一四(平成二十六)年度末までに完成予定の北陸新幹線金沢開業を見据え、空港のてこ入れ策を具体的に検討するよう求める声が上がった。
森喜朗前首相は東北、上越新幹線開業後、仙台空港や新潟空港で羽田便が廃止されたことに触れ「金沢開業すれば、一日十一便体制の羽田便はほとんどなくなる。仮に半分なくなれば、その分を(能登空港に)シフトすればいい。それも方法の一つだ」と指摘した。
谷本知事は「そんな恐ろしいこと知事として言えない」と回答を避けたが、岡田直樹参院議員は「現実にそういう状況が起きることを念頭に置いてほしい」と詰め寄り、県がまとめる新長期構想に空港活性化策を盛り込むべきだと提案した。
空港の活性化策をめぐっては、県が昨年十一月に「北陸新幹線開業に向けた当面の空港のあり方検討会」の初会合を開催。小松、能登両空港での新規路線開設などをテーマに検討を重ねている。
当初、七月上旬に最終報告をまとめる予定だったが「日航のソウル便運休などの対応で作業が滞った」(空港企画課)ため、今秋にずれ込む見通し。利用者の81%を羽田便が占める小松空港の新幹線開業後の姿を描き切れていないのが実情だ。
●能登便、増便要望へ 2009年の羽田滑走路完成で
谷本知事は一日二便体制で運航している能登―羽田線について、〇九年に羽田空港で四本目の滑走路が供用開始されるのに合わせ、全日空に増便の働き掛けを強める考えを示した。岡田氏の質問に答えた。
谷本知事は、全日空が能登―羽田便の搭乗率保証制度など県の取り組みを評価していると指摘。羽田空港の再拡張工事で発着枠に余裕ができれば「全日空が増便を前向きに検討する状況が生まれる。それを目指して実績を積みたい」と述べた。
国土交通省などによると、四本目の滑走路の供用開始後、羽田空港の年間の発着回数は現在の約二十九万回から約四十一万回に伸びる。谷本知事は、〇九年の供用開始時期についても「できるだけ早く滑走路を完成させてほしいと(国に)お願いしたい」と述べた。
●金沢市の合併構想、長期構想に盛り込まず 知事、馳氏の提案を一蹴
馳浩文部科学副大臣は年度内に策定する県の新長期構想に金沢市の合併構想を盛り込むよう提案した。これに対し、谷本知事は「政令市の(人口要件)七十万人を考えると、小松から羽咋まで取り込まないといけない。(長期構想に)第二弾(合併)を盛り込むのはどうか」と一蹴した。
森氏も金沢市の合併に関連し、「野々市町が金沢市に入ると、あれだけの投資はなかった。合併にはデメリットもある」と発言した。
七月の集中豪雨で柴山潟の水があふれ、加賀市片山津温泉に浸水被害が出たことに関連し、大幸甚加賀市長が県の対応に不満を示したことについて、森氏は「市長も反省している。興奮してはいかんと言っておいた」と述べ、県が提案する柴山潟の堤防整備を進めるよう求めた。谷本知事は終了後、近く藤崎和久土木部長が大幸市長と会い、地元の意向が確認できれば、国に予算化を働き掛けるとした。
森氏は能登の海岸保全に関し、波打ち際まで乗り入れる車を規制すべきだとの見解も示した。
岡田氏は能登有料道路の無料化を求めたが、谷本知事は約二百四十億円の未償還金が残っているとし、当面は料金徴収を続ける考えをあらためて強調。予定通り、一四年度の無料化を目指す姿勢に変わりがないとした。
北村茂男代議士は、構造改革特区の創設などによる能登地区の雇用対策てこ入れを求めた。谷本知事は奥能登で映画ロケが三、四本予定されていることを明かした。
沓掛哲男国家公安委員長・防災・有事法制担当相は公務の外遊、瓦力代議士は足の治療のためそれぞれ欠席した。
●衆院解散から1年 軸足牽制も「静かな論戦」 県庁跡地、話題に上らず
昨年八月八日の衆院解散からちょうど一年となった八日の県政懇談会で、森氏は「現実問題、予算獲得には与党の力を借りなければならない。そういう心構えを持ってもらいたい」と谷本知事に注文を付けた。昨年の衆院選を経て県選出国会議員がすべて自民となり、県政懇談会も昨年秋に続いて自民との一回のみの開催に。谷本知事に対する自民の風圧をあらためて印象付けた。
森氏からは「(党員から)話を聞くと『県は自民寄りのポーズを取っているが、実際は非自民だ』と言われる。知事さんあなたのことですよ」と知事の軸足を問う発言も。「国の予算を一番取っているのは金沢市。ところが、市長さんは自民党のおかげだと全然おっしゃらない」と山出保金沢市長も牽制(けんせい)した。
ただし、国会議員側と谷本知事の論戦はといえば、例年に比べて静かな内容に。衆院解散直前に開かれた昨夏の県政懇談会では、谷本知事が県庁旧本庁舎南ブロック(前面部分)保存、利活用の方針を示したのに対し、森氏や馳氏らが「明確に反対する」とかみついた。
その後、最終的に森氏ら国会議員側も南ブロック保存、利活用を受け入れた経緯もあり、この日は「県庁跡地」という言葉は一度も出ず。国会議員側が県政課題について発言しながら、知事らにあえて答えを求めず、議論にならない場面もあった。
谷本知事も三月に四選を果たした直後であり、自民内からはやはり知事選前とは気持ちの張りが違うとの見方も出たが、国会議員側はまだ、知事がどのような政治スタンスで四期目の県政のかじ取りを担うのかを見極めようとしているようでもあった。
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