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在任最後、正装で15分 小泉首相、靖国参拝 「心の自由」持論展開 一歩一歩確かめ本殿に
北國新聞夕刊 2006/8/15付
終戦記念日の十五日、小泉純一郎首相が靖国神社をモーニング姿で参拝した。「今日は適切」「A級戦犯のためではない」と首相。中国、韓国に対しては「わたしは友好論者」とも強調した。参拝への評価は「有終の美」「大きな負債」と分かれる。戦後六十一年、昭和天皇がA級戦犯の合祀(ごうし)に不快感を示したとのメモが波紋を広げる中、一部の戦没者遺族の間から合祀反対の声も上がった。
首相在任最後の終戦記念日、十五日に靖国神社を参拝した小泉純一郎首相は、昨年の「拝殿前」ではなく「モーニング姿、本殿」で臨んだ。「心の自由」「参拝を問題にする勢力がいる」。参拝後は記者団に持論をとうとうと語った。神社を訪れた遺族らからは歓迎の声とともに「首相参拝には反対」と批判の声も上がった。
午前七時四十分、小泉首相を乗せた黒塗りの公用車が靖国神社に到着。二百人以上の参拝者が日の丸を振り、歓声で出迎える。降りしきる雨の中、正装で身を固めた首相は口を真一文字に結び、本殿では一礼、一歩一歩確かめるように階段を上った。入り口横には「内閣総理大臣 小泉純一郎」の献花も。
廊下をゆっくり歩き、みけんにしわを寄せて周囲を見渡した。滞在時間は約十五分だった。
この日、靖国神社には、早朝から参拝者や報道陣らが詰め掛けた。周辺には警察車両が並び、物々しい雰囲気。
伯父が戦死したという高知県安芸市の松村博子さん(57)は「国のために亡くなった方を慰霊するのは当然。小泉さんの後に首相になる人もずっと参拝してほしい」。一方、東京都内に住む大学生和田政憲さん(20)は「首相の参拝には反対だ。国際関係で次の世代に争いの火種を残すべきではない。A級戦犯が合祀されていることにも怒りを覚える」と話す。
参拝を終え、官邸に戻った小泉首相は閣議に先立ち記者団の取材に応じた。「過去五年の批判を考えると三点に要約できる」と切り出した。憲法違反との批判には「思想、良心の自由。まさに心の問題でしょう」、中韓両国の反発には「参拝するなら、首脳会談をしないというのはどうか」と冗舌に語った。終戦記念日を選んだことについては「いつ行っても批判、反発される。今日は適切だ」と開き直った。
●「何という執念」「思い遂げた」 県関係国会議員
県関係国会議員六氏は、小泉首相の靖国神社参拝を重く受け止めた。
金沢市の石川護国神社で行われた県戦没者追悼平和祈願祭に参列した森喜朗前首相は「何という執念なのか。総理という重い立場の中でやりたいと実行した。友人としてよくやったと評価したい」と述べる一方で、「日本のみならず、世界に多くの話題を投げ掛けたのも事実。この結論は出ておらず、みんなで考えなくてはならない」とも語った。
A級戦犯の合祀に関しては、麻生太郎外相が示した靖国神社の非宗教法人化に触れ「声高に議論していくときが来たのだと思う」と述べた。
馳浩文部科学副大臣は「静かにお参りいただきありがたい。素直に思いを遂げられたのではないだろうか。中韓との歴史認識はなかなか一致しないが、ひざを交えて話し合うことが大事だ」とコメント。北村茂男代議士は「小泉首相が自分自身で判断されて参拝したことは、よかったのではないか」と話した。みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会会長の瓦力代議士は「大変いい機会になった。皆さんを勇気づけてくれた」と語った。岡田直樹参院議員は「厳しい決断だったと思うが、敬意を表したい。諸外国にその意味を説明する努力を続ける」と述べた。
●「それぞれ思いある」 沓掛国家公安委員長
小泉内閣の閣僚として参拝した沓掛哲男国家公安委員長・防災・有事法制担当相は、首相の参拝については「それぞれの思いがあるので特別なコメントはできない」と語った。
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