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162-参-憲法調査会-2号 2005年2月9日

○岡田直樹君 ありがとうございます。自由民主党の岡田直樹でございます。
  今日のテーマの統治システムを広く見れば地方政府も含まれると思いますので、本来、地方自治のテーマのときに申し上げた方が良かったかもしれませんが、私はしばらく県議会にもおりましたので、最近よく言われる都道府県知事の権力の肥大化という問題について少し申し上げ、その後で首相公選制の是非についても一言述べたいと思っております。
  御承知のとおり、地方では知事の権威は絶大であります。私の石川県ではいまだに知事様と言う人が多くて、国会の先生なんてのは目じゃないというような感じであります。戦前の地方長官としての権威にプラスして、戦後、直接公選制による大統領的な権威が加わりまして、大変強いわけであります。そして、国会議員と違って県庁には何千人ものスタッフがおりますし、知事は公務という名において、公費を使ってと言うと語弊があるかもしれませんけれども、日々選挙運動をやっておるようなものであります。予算、人事権を握り、また警察権さえ左右する知事は、よほどの不祥事でもない限り新人に対して圧倒的に有利であり、したがって多選が多くなるわけであります。
  この知事をチェックすべき県議会は極めて弱体でありまして、どこの県でも知事選は各党相乗りになりやすく、たとえいっとき対決したとしても、すぐにオール知事与党に戻ってしまう。東京の石原知事とか長野の田中知事といったカリスマ知事だけではなくて、いわゆる改革派知事も含めて、同じく唯我独尊に陥る危険性を常にはらんでおると思います。
  私の地元石川県を例に挙げますと、ついおとといの話でありますが、輪島塗で知られます輪島市という町がありまして、そこの議長が辞任を表明いたしました。これは、隣接する二つの町との法定合併協議会の設置案を市議会が否決したわけであります。そうしましたら、石川県知事が、輪島市議会は非常に住民不在の対応を取ったと、こう批判をいたしました。これに対して市議会議長が、恐る恐るでありますけれども、何も知事さんがそこまで言わなくても、それは越権行為でねえかと、こう言った。すると、知事は、越権行為とは何事かと怒ったわけであります。そして、これ以上県と対立を続けることは輪島市にとって好ましくないということで、議長が責任を取って辞任をするという、何か殿様が腹を立てて家来の首が飛んだような話のように思えるわけです。地方分権といっても、何か民主的なことのようにばかり思いますけれども、その実は知事という現代の殿様のようなものを生み出している側面があるんじゃないかと、こう思うわけであります。
  三位一体の改革が進んでいきますと、ますます知事は強くなります。これに対してバランスを取るときは、県議会の提案権を拡大するなど権限を強化しなくちゃいかぬ。それと同時に、知事の多選制限ということは是非検討をすべき課題であると思います。知事の多選禁止は職業選択の自由を損のうと、こうおっしゃる方もありますけれども、私は全然無関係なことであると思っております。
  これに比べて国の場合、首相にリーダーシップがあるのかないのかよく分かりませんけれども、国にあっても国民投票による純然たる首相公選ということは、これは行政府の権力肥大につながるおそれがあると思っております。首相のリーダーシップや政権基盤の強化ということは大事でありますけれども、行政府の長はやはり立法府から選ばれるというこの我々が今持っておる原則は崩すべきではないのではないかと思っています。そして、各党が国会議員の中から首相候補を選ぶ、そして、しかる後に国民の投票によって首相公選を行うということは一つの有力な案になり得るだろうと、こういうふうに思っております。
  以上でございます。ありがとうございます。

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