162-参-外交防衛委員会-7号 2005年4月14日
○岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田直樹でございます。
今ほど日本と近隣諸国との間が、何といいますか、同時多発的に緊迫化したこういう事態というのは近年になかったように思います。町村大臣始め外務省の皆さん、大変御苦労さまでありますが、どうか毅然とした態度で、かえって町村外交というようなそういう歴史に名を残すような、そういう外交を展開していただきたいと期待をいたして質問をさせていただきます。どんどん情勢が動いていると思いますので、一部御通告していないこともお伺いすることをお許しいただきたいと思います。
報道によりますと、中国外務省の報道局副局長が定例会見で、反日デモ投石事件について、一部の群衆が歴史問題などに対する日本の誤った見方への不満から自発的に行ったものであると、あるいは、このような局面に至ったことは日本側に原因があることは明らかで日本側は真剣に反省する必要があると、こういうふうに述べたということであります。全く言語道断の責任転嫁であり、本当に盗人たけだけしいと言わざるを得ないと思います。
既に外務省の高島報道官も反論をされたと出ておりましたけれども、この中国外務省のスポークスマンの発言に対する町村大臣の率直な御所感というのをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 岡田委員御指摘のように、次々の報道官談話というのが出るものですから、ごく最近の時点では、十日、十二日、先方、中国外交部報道官の発言というのがあるようであります。あるわけでありますが、一般のデモを行う、国柄の違う国々によってそのデモの意味というのは確かに違うんだろうと思いますが、普通の国であれば、デモを行う権利というのはそれは一般的にだれでもあると、日本においてもどの国においてもあるんだろうと思います。それまでは私はとやかく言うべき筋合いのものではないんだろうと、こう思っております。ただ、やっぱりはっきりそこは分けなきゃならないのは、通常のデモ、国民の意思表示としてのデモと破壊行動ですね、これはやっぱり截然と分けなければいけないと、こう思っております。
したがいまして、そこは彼らはあえて一緒にして、デモ活動には理由があると、そういうことを言っているんでしょうけれども、しかし、いかなる理由があろうともそうした破壊活動は許されないということを私どもは言っているので、それに対する謝罪の要求でありますとか損害賠償の要求をしているということは、先般の日曜日、王毅大使を外務省に呼んで私はそのことを申し上げたわけであります。そのポジションは何ら変わっておりません。
ただ、先方の中国外交部副報道官ですか報道官の話は、それを全部一緒にしてすべて日本の責任があるかのごとき発言をしているので、それは私どもとしては断じて認めるわけにはいかないということでございます。
背景にいろいろなことがあるんだからいかなる行動も許されるということは全くおかしな話であって、したがって、これ断片的な記憶ですが、ニュースで愛国無罪と叫んでデモをしておりましたですね。国を愛する心があってその発露であるデモであれば、デモであれ、あるいは破壊活動であれ、それはすべて許されると。要するに、無罪と言うことは、明らかに自分たちはそういう破壊活動をするというのが罪であるということを意識した上で愛国無罪と、こう言っているのであるならば、それは正にそれを許すということをそれは当然だというような外交部の発言というのは、正にそうした破壊活動を政府が認めたということになるので、この辺は私、今週末中国に行こうかと思って準備をしているわけでありますが、その点ははっきりと申し上げるつもりであります。
○岡田直樹君 中国の外務次官が阿南大使に対して、政府を代表して心からのお見舞いと遺憾の意を表明すると言ったそうでありますけれども、この報道官の発言と全く百八十度食い違うと、この辺りも断固として御指摘をいただきたいと思います。
次に、十三日、昨日、夜まで北京で日中の局長会議が、協議が行われて、当方の佐々江アジア大洋州局長、中国外務省のアジア局長と協議をされたようでありますけれども、当然十七日の日中外相会談に向けての調整もなさったことと思います。日本側から改めて謝罪や損害賠償を求めたのかどうか、それに対する中国側の反応はどうであったか、これも通告にありませんけれども、大臣からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 元々十三、十四で日中韓の局長級会議というのが元々予定されていたのであります。それはなぜかというと、この五月の六、七に京都でASEM、アジアとヨーロッパの対話の場でございますけれども、そのASEMの会議が開かれます。その際に、日中韓で外相会談をやろうということも前から実は決めておりました。その打合せという意味で、この日中韓三国協力の取り進め方等について、これは第三回目になりますけれども、日中韓局長協議が予定されており、予定どおりそれはやったわけであります。あわせて、それに加えまして日中協議を、私の日中外相会談があるもんですから元々それもやろうということにしていたわけで、それもやっているわけであります。そういう状況の中に今回の一連の破壊活動等が起きたもんですから、そのことも追加的に議論をしているという状況であります。
昨日と今日とまだやっておりまして、今日の夜遅くに帰ってくると聞いておりますから、まだちょっと詳細な報告を受けておりません。今の時間、あるいはまた今日の午前、午後とまた会議があるようでございますから、どういう議論が行われているのかという詳細については私もまだ報告を受けておらないわけでございますが、ポイントとしては、今委員がお触れになったようなデモの話でありますとか東シナ海のガス田開発でありますとか、いろいろなことを当然のこととしていろいろ議論をしたと聞いておりますが、詳細についてはちょっとまだ報告がないので触れることができませんので、お許しをいただきたいと思います。
○岡田直樹君 詳細な報告を待たずにざっとした感触で結構なんですけれども、中国側から謝罪の意思とかあるいは損害賠償の意思、こういうものを示したということは現時点ではお聞きになっておらないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) ちょっとそこまでの話は聞いておりません。
○岡田直樹君 現時点ではお聞きになっていない……
○委員長(林芳正君) 岡田君。
○岡田直樹君 はい、失礼しました。
現時点ではお聞きになっておらないということだと思います。
もう一つ、今大臣お触れになりましたガス田のお話はどうでしたでしょうか。昨日、経済産業省が東シナ海のガス田開発で試掘権与える手続を開始したということを発表しましたけれども、これについても中国側の反応、リアクション、特に経済産業省の発表に対して中国側が相当怒っているというような話もありますけれども、これについて何か御報告はありましたでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 昨日の会議で項目としてはそれも話し合ったということでございますが、具体の主張がこの場で、局長レベルの会合でどういう具体のやり取りがあったかはちょっと私は聞いておりません。
○岡田直樹君 次に、中国や韓国は盛んに歴史問題とか歴史認識とか言っておるわけですけれども、この辺、具体的に何を指すとお考えでしょうか。もし小泉総理の靖国参拝とか教科書検定のことであるならば、私は中国や韓国から一方的な非難を受けるような筋合いはないと思います。この点について外務大臣のお考えを伺いたいことと、日中の歴史共同研究を御提案になるようですけれども、日本の歴史研究者の中にも過去において例えば中国の文革を賛美したり、あるいは日本、我々の母国に対して非常に自虐的と言っていいような主張をしてきた学者も少なくないわけで、こういう歴史共同研究は、悪くないと思うんですけれども、決して中国ペースに陥らないというか、日本の学者が自ら歴史を曲げるようなことがないように、こういう点、御留意をいただきたい。この辺りを外務大臣からお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 具体に歴史問題、歴史認識、何を指すのか、よく外相会談でもう一度はっきりさせたいと思っておりますが、これまでの累次の主張を記憶をたどって申し上げれば、それは間違いなく靖国参拝であるし、また教科書の問題ということであろうと、こう思います。
この点については、もう言うまでもないことでありますけれども、日本側の歴史認識というものは、戦後五十年のときに出されました内閣総理大臣談話というものがございますし、日中間においては九八年の日中共同宣言、あるいは日韓の間においては日韓共同宣言というものがそれぞれ明確に出されているとおりでありまして、私もその考え方にのっとって今いろいろな発言、行動をしているつもりであります。
そういう意味で、この歴史認識が何かおかしいんではないか云々という発言については、私はそれは、政府の一員としてそれは全く認めるわけにはいかないと、こう考えております。したがいまして、外相会談等の場でも今後、日本の考え方というのは非常に明確なわけですから、そのことははっきりと説明をして話し合っていきたいと、こう思っております。
共同歴史研究につきましては、日韓の間では過去三年にわたってこれを進めてまいりました。三月末に一定の作業が完了し、今その報告書を最終的に取りまとめている最中だと、こう聞いております。数多い学者の皆さん方が相当長時間にわたってエネルギーを割いた。もちろん、同じ認識に至った部分もあるでしょうし、なかなかそこは意見が一致しないなという部分もあった、まあある意味では当然なんだろうと思います。しかし、そういった作業を私は何度も繰り返していくことによってより共通の認識に到達する部分が多くなるとすれば、それは私は大変いいことだと、こう思っております。
そういう意味から、日韓の間ではまたメンバーを一新して、少し若い世代の学者の皆さん方にその作業を引き続き日韓でやってもらおうということで、先般イスラマバードの日韓外相会談で話合いを行いまして、基本的にはこれを続けましょうと。じゃ、どういうタイミングで、どういうテーマで、どういうメンバーでというのはまたおいおい相談しようじゃありませんかということになったわけでございます。
日中間でまだこのことについて話し合ったことがございませんけれども、既に日中間で知的交流を支援すると、こういう事業で約八千万円の予算が計上されております。これを使って日中間の、日本側の研究者と中国側の研究者が共同でいろいろな知的交流を図るということをやっておりまして、そのうちのテーマの中で歴史問題というものも含まれております。したがって、そういう作業をこれまでも既にやってはいるわけでございますが、改めて共同歴史研究という形で委員会といったようなものを立ち上げるのも一案かなと、こう思っておりまして、まだそう具体に詰めているわけじゃございませんけれども、こうしたことを含めて今度の外相会談で話し合ってみたいと、こう思っております。
したがって、委員、ある意味じゃ御心配をされたようなことというのはまだそれから先の問題ではないだろうかなと、こう思っております。
○岡田直樹君 先ほど大臣から、日本の歴史認識がおかしいという指摘は当たらないと、政府の一員として主張をすると、こういう御答弁をいただき、大変心強く思いました。大臣、こういう御著書を出されて、「「凜として美しい日本」をつくる」と。凜として美しい日本をつくると、大変共感をいたしました。今度、日中外相会談に臨まれるわけでありますけれども、小泉総理に先立って国民の注視を浴びて期待を担って行かれるわけで、どうか毅然とした姿勢でお願いをしたいと存じます。
それから、今回の事件のテレビ見ていましても、中国の警官は暴徒を全く制止しようとしておりません。石を投げるのを全く止めない、なれ合いというのが画面からよく見えるわけでありますけれども、我が在外公館の安全というものを現地の官憲に任せ切るということは限界があるんじゃないかと、こういうふうに思うわけであります。瀋陽の総領事館の事件の後も、またイラクで外交官お二人が殺害された後にも、自衛隊やまたそれに準じた組織によって我が在外公館を警備すべきであると、こういう声が出ました。前の川口大臣も検討すべきであると発言しておられます。私も、すぐ中国や韓国にどうこうというんではなくて、時間を掛けてでも検討すべき課題として自衛隊による在外公館警備、フリーに、そして真剣に検討すべき時期ではないかと思います。
憲法上の問題、自衛隊法その他の問題があると思いますけれども、このことについて、町村大臣、そして大野大臣のお考えを伺いたいと存じます。
○国務大臣(町村信孝君) この問題、前からいろいろな形で出てきております。多少時間はたちましたが、ペルーの大使館人質事件でしたか、この折にもそういう議論が出されましたし、また、一昨年のイラクにおける我が国外交官の殺害事件のときにもその話が出ました。また、今回の北京大使館の破壊活動の折、正に今そういう議論がまた出ているわけであります。
基本は、それは在外公館の警備というのはその接受国の警備にゆだねるというのが基本だろうと思います、少なくとも在外公館の敷地の外ですね。中はまたそれぞれいろいろな警備のやり方というのがそれはそれであるんだろうと、こう思っております。いかに何でも、この間の北京の大使館のケースで、それでも先方は約千名を超える警察官を動員をして警備したんだと、こう言っております。同じ数の日本の警備を仮に日本から連れていってやろうったって、それはとてもとてもそんなできるものでもございません。したがって、外回りはそれは現地にゆだねると。その警備の仕方が私は、明らかに中国のこの間の事件の折は十分な警備をやったとは私も思っておりませんが、しかし、そこまで全部日本でやれるかというと、それはなかなか無理、難しいんだろうと思います。
ただ、その内部での警備の在り方というのは一つの大きな課題であるということで、私も前川口大臣あるいは前石破防衛庁長官との国会でのやり取りも私も拝見をいたしました。その後検討は続けておりますが、なかなかまだ明確な答えに率直に言って到達はしていないのが事実であります。その間できるだけ在外公館の、しかし警備はおざなりにはできませんので、随分警備対策関係予算は、例えば警備員を増やすとか防弾車を配置するとか施設の整備をするということで、ずっと横ばい予算でありましたが、十六年度に七四・五%増ということで六十三・七億円を計上し、そこでかなり警備、充実は図ったつもりでございます。十七年度五十三・七億円、一五・七%減ではございますが、それ以前の三十五億円と比べると、かなりそういった面での予算的な充実は図っているところであります。
ただ、委員御指摘のようなその自衛隊等による警備あるいは外務省自身の要員による警備、いろいろな形をどういうふうに組み合わせていくのか、率直に言ってまだ、要員の身分でありますとか接受国との関係でありますとか、あるいは法整備の在り方、更に綿密な検討をしなきゃいけないと、こう思っておりまして、現状まだ答え出ておりませんけれども、少し検討のペースを速めて、安心して皆さん方に仕事がしてもらえるように、そして独立国の在外公館として権威と品位を保てるような、そういうしっかりとした警備がどういう形で可能であるか、関係省庁ともよく相談をしながらこの対応をしっかりやっていかなければいけないと、かように考えております。
○国務大臣(大野功統君) 今、町村外務大臣の御発言にありましたとおり、この在外公館の警備というのは、一義的には当然のことながら接受国の責任問題だと私は理解しております。
それから、この問題を検討するに当たって、やはり外務省が十分考えて、そしていろいろ我々に御相談いただきたいと、こういう性格のものではないかと。したがいまして、現段階で防衛庁長官としてこの問題について発言するのはいかがかなという気はいたしますけれども、やはり岡田委員おっしゃったとおり、一昨年のイラク公館におきましてああいう事件があった、これを契機に大変この問題が真剣に議論されている中でございますので、自衛隊を在外公館に派遣するという角度からちょっと意見なりを申し上げたいと思います。
一つは、やはりいかなる形で在外公館警備が行われるべきなのか。つまり、在外公館警備に自衛官を送った場合、その自衛官の身分はどうなのかという問題があるんですね。その場合、外交官になるんだろうか、そうすると、外交官が武器を使用するというのはどういうことになるんだろうか、もし自衛官として滞在するのであれば地位協定等の問題はどうなっていくんだろうか、こういう問題、やはり詰めて明らかにしていかなきゃいけない問題であります。
それから、やはり在外公館警備は警察権的な作用ですが、警察機関でなくてなぜ自衛官というものがそういうお仕事に従事しなきゃいけないんだろうか、こういうことをきちっとやっぱり詰めていかなきゃいけないんじゃないかと思っています。そしてまた、自衛官、自衛隊の役割は在外公館警備の全体像の中でどうあるべきなんだろうか、こういう問題があろうかと思います。
これすべて言わば憲法にもかかわる問題かもしれませんし、武器使用の在り方にも関係するかもしれません。そしてまた、国際法上どういうふうに考えていけばいいのか、こういう問題もあろうかと思います。
しかし、いずれにしましても、防衛庁として、外務省で十分御検討いただき、御検討の状況に応じて、今申し上げたような問題点を十分考慮しながら、自衛隊として求められる任務を遂行する能力を一体有しているのか有していないのか、任務遂行のためにどのような法的措置が必要なのか、こういうことを十分これから前向きに検討させていただきたい、このように思っております。
○岡田直樹君 今、大野長官からかなり具体的な論点の御指摘があったと思いますので、外務省と防衛庁でそれぞれまた連絡を取って御研究をいただきたいと思います。
それから次に、町村大臣のこの御著書でも、日本の情報収集能力、いささか弱いのではないかという御指摘があって、「国家と情報の危機」という章では「「長い耳」を持つ国家へ」ということも指摘されております。問題の中国は、紀元前の孫子の兵法の時代から非常にインテリジェンスを重視しておると、日本も日露戦争を勝ったのは明石大佐の情報収集あるいは謀略によるところが大きいと。現代においていろんな問題あると思いますけれども、やはり外務省、防衛庁、それぞれの情報機能を強化して、また新たな情報機関、独立した情報機関の設立というものも検討すべき時期に来ているのではないかと思います。
この点について、町村大臣と、そして大野大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 大変、私の著書にまで触れていただいて恐縮をいたしておりますが、この情報問題、私、国会議員に二十一年ぐらい前になった折からずっと実は考えていたテーマでございまして、折に触れていろいろな方とも話合いをし、また自分なりに意見も委員会等の場で申し上げてきたテーマであります。
たまさか九・一一が起きた後、テロ対策本部というのが自民党本部にできまして、そこで幾つか、三つほどの小委員会ができまして、そのうちの一つがこのインテリジェンスに関する小委員会ということでありまして、私はその小委員長というのを買って出まして、そして諸外国との比較をしつつ、日本の国内の今のインテリジェンスの在り方というものをもう一度再検討してみたわけであります。そして、イギリスが多分一番日本の参考になるかなと思いまして、イギリスのインテリジェンスコミュニティーの人々に会いに同僚議員と一緒に行ったりして取り組んでまいりました。
今、私、外務大臣という立場でございますからやや自由に物が言えない部分が現実生じておりますけれども、よく一般的に、私はそのときの議論で思い出すのは、何人もの有識者の方々から言われたことは、日本の情報というのは上がらず、回らず、漏れると。もうこれが日本のインテリジェンスの最も問題だと。上がらずというのは現場で集めてもそれがしかるべき上位の人に上がらないと、それが関係省庁にも回らないと、そしてその過程で必ずリークが起きるというようなことでありまして、現実そういうことが、私も新聞を見るたびに、これはどういうことなんだろうかなと思うこともしばしば大臣に就任後から感じているところでもあります。
いずれにしても、ただぼやいていてもこれはしようがないのでありまして、きちんとした取組をしなければいけないということで、それでもここ何年かの間に随分改善はされてきていると思っております。今、内閣の方には内閣情報官という組織ができたのはここ数年のことでございまして、従前はそれすらなかったわけであります。一応その内閣情報官を中心として、外務省、警察庁、防衛庁、公安調査庁、さらには最近は衛星情報センターというものもありまして、いわゆる偵察衛星の運用と、そこから上がってくる情報の分析というものもできるようになってきているということで、大分体制なり物の考え方なりが随分改善はされてきていると思います。特にイラクの問題等々あるものですから、大分かつてよりは良くなってきたかなと、こういう面もあります。
ただ、本当に十分かと言われれば、私は不十分であろうと、こう思わざるを得ないわけでありまして、そんなこともあって、これ外務省だけでやることには限界があるかもしれませんが、取りあえず外務省の在り方、そしてその必要に応じて政府全体のことも一定程度議論にならざるを得ないかもしれませんが、対外情報機能強化に関する懇談会というものを立ち上げることにいたしまして、四月二十六日に第一回の会合を開き、しかるべき専門家の方々にお集まりをいただいて、いま一度、もう言い古されたこともたくさんあるかもしれませんが、いま一度頭の整理をやってみよう、貴重な御提言もいただいて、それを政策に反映していきたいと、こう思っているところでございまして、しっかりとした取組を、これは本当に国家の基本であると。まして、日本のように専守防衛という国家であるならば、長い耳を持って最大限の情報収集をし、それをしっかりと分析して、そして総理大臣以下政策判断をできる方々に上げていって、そこできちんとした判断が行われるということでなければ、それこそ日本が国家としてやっていけるかという危機感を覚えているところでございます。
そういう意味で、しっかりと取り組ませていただきたいと思っております。
○国務大臣(大野功統君) まず、情報につきましては、自前の情報を収集する、この重要性を我々はもっともっと自覚すべきではないか、このように思っております。もちろん情報の国際的な協力、これも大事でございます。自前の情報、そして国際的な協調、大変重要な問題でございますが、自前の情報といいますと、やはり一九九八年、たしか八月三十一日だったと思いますが、北朝鮮からテポドンが日本に対しては無通告、無警告で発射されました。そのとき私、中山太郎先生とお供してワシントン、ニューヨークに参りました。それをきっかけに情報衛星を打ち上げよう、この機運が高まって自前の情報を取っていこうと、こういう動きになった。さらに、この自前の情報につきましては、ヒューミントの問題も含めまして頑張っていかなきゃいけないと思っています。
それから、防衛庁の内部の問題でありますけれども、防衛庁内部でも、今戦略的にかんがみましても非常に情報の役割は高まってきております。やはり情報力、それから科学技術力、そういうもので支えられる。もっとも、もちろん国を守ろうという気概も大切、これは一番大切なことでありますけれども、情報力というのは大変大切である。こういうことから、今度組織を改めまして防衛庁に情報本部をつくる、それを長官直轄にさせていただく、このことはもう御存じのとおりであります。
さらに、情報といった場合に、どうも各省間の縦割り問題が出てきて、例えば海上警備行動を取る場合でも、どうも防衛庁の持っている情報、それから海上保安庁の持っている情報はお互いに共有すべきじゃないか、こういう問題もございます。この縦割りというのは絶対やめていかなきゃいけない、これはもう町村大臣から御説明がありましたのでもう省きますけれども、そういう意味で、私といたしましては、自前の情報、そして防衛庁情報本部等の機能強化、内閣の下での連携、この点に重点を置いてまいりたいと思います。
○岡田直樹君 委員長、まとめます。
○委員長(林芳正君) もう時間でございますので。
○岡田直樹君 はい。大臣官房、外務大臣官房長とそれから国際情報統括官に申し上げたい。
昨日、今の御質問を外務大臣に申し上げたら、その直後に、一時間ほど後に、えらくスピーディーに記者発表がされました。これは偶然なのかどうなのか、ちょっとこの辺り、委員長、理事会で一度御検討をいただけると有り難いと存じます。
質問を終わります。
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