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162-参-北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会-02号 2005年6月10日

○岡田直樹君 私は、自由民主党で北朝鮮の経済制裁を検討するチームにおります岡田直樹と申します。  本日、横田さん御夫妻にはわざわざお越しいただき、ただいまは本当に痛切なお話をいただきました。荒木参考人と併せて感謝を申し上げたいと思います。  昨年、この委員会で新潟に参りまして、めぐみさんが寄居中学校から御自宅に戻るその通学路を歩きました。そして、御自宅のすぐ目と鼻の先のあの四つ角で、警察犬も追跡不能になったというあの拉致の現場を見ました。そして、海岸まで歩きました。本当にめぐみさんの味わった恐怖感というものを改めて思い、また御両親の心中をお察し申し上げた次第であります。  この委員会でも既に経済制裁を検討せよという決議をいたしておりますし、自由民主党でも我々のチームの提言に基づいて安倍晋三本部長とする拉致対策本部でそうした決議を行っておりますが、いまだに政府が積極的な姿勢を示さないことは、私ども与党でありますけれども、残念に思っている次第です。  ここで、時間もありませんので御両親に端的にお伺いをしたいことは、私も新聞記者として二度北朝鮮へ行きました。あの国が本当に底知れない恐怖の体制であるということを肌で感じてきたつもりであります。  経済制裁を検討しながら一つ気掛かりなことは、今も北朝鮮に生存をしていると信じる拉致被害者の方々、めぐみさんを始め拉致被害者の方々が、この経済制裁によって状況が好転すればいいですけれども、裏目に出て万が一、不測の事態が生じはしないかということが我々も心配でならないわけであります。前のが偽の遺骨であったならば今度は本物を出そうと、こういうことを考えかねない国だと思うんです。  御両親に対して本当に言うに忍びないことを言い、聞くに忍びないことをお聞きしますけれども、そうしたおそれを抱きながらもなお今、経済制裁をとお求めになるのか。その辺りの御心境を御両親からお伺いしたいと思います。

○委員長(内藤正光君) お二人からでよろしいですね。  では、まず横田滋さん、どうぞ。

○参考人(横田滋君) そういった懸念はゼロではございません。  それは、平成九年にめぐみのことが明らかになったときに最初に我々が直面しましたことは、名前を出して、かつ写真を公表するか、それとも匿名にするかというようなことで迷いました。やはり、実名を出して写真を出さなければ証言に信憑性ということが出てきません。しかし、それを明らかにすることによって、そんなことはなかったということで殺されてしまうというような心配もございました。  ですから、最初から、スタートの段階ではやはりそういったリスクというものがもうゼロというのではないわけですが、しかし、それを恐れていれば結局そのままの状況がずっと続いて、一生もう北朝鮮で何もなかったような形で終わってしまうというようなことになりますので、やはり救出ということになりますとそうせざるを得ないと思います。  そして、今経済制裁ということは、一つは日本の姿勢を示すということにもなりますし、それと、現在、国際的な目がありますから、生きている者をそこでこれから殺したというようなことであれば、もう北朝鮮は日本からだけではなくて、世界からもう、何といいますかね、交渉は、これは国としてはもう成り立たなくなると私は思っております。  ですから、絶対にないとは言えませんけれども、もしそんなことが行われた場合はもう北朝鮮は崩壊するということになりますから、それは北朝鮮はやらないと思っております。

○委員長(内藤正光君) では、続きまして、横田早紀江さん、お願いをいたします。

○参考人(横田早紀江君) 今、主人が申しましたように、本当にこのことを表に公表するかどうかというところから私たちはもう覚悟をしておりました。もしものことがあっても、こんなに長い期間、めぐみの姿が何も分からない、だれにも分からないで、消えたままでこの世を終わってしまうということは許せないことでありましたので、どんなことがあるか分からないけれども、非常に悩みながらも公表するような状況になったわけです。  そして、今、この間のDNA鑑定のように、日本の鑑定は非常に高度でありまして、いつごろこの人は亡くなったのか、どういう状況で亡くなったのか、いろんなことが全部分かるというぐらい高度なものだとお聞きしています。だから、そういうことをしっかりと日本は北朝鮮にメッセージを常に送り続けて、そういうことはどんなことがあってもすべてのことが分かるように日本はできているということをメッセージを送り続けていただいて、そして、みんなが元気でいることができるような状況にできるだけ努力をしていただきたいと思っています。

○岡田直樹君 どうもありがとうございます。  今、この国会でいただきました御両親の本当に強い覚悟というものを、この報道を通じて政府に届くものと思いますし、我々の委員会としても、また我々の党としても政府に伝えてまいりたいと思います。  ここで、荒木参考人に一つお伺いしたいんですが、もう一つの懸念は、今、日本と韓国や中国の関係が非常に悪化をしております。なかなか連携をして経済制裁その他の圧力を掛けにくい状況にあると思いますが、日本単独で今経済制裁をしてどのぐらいの効果があるものか。もし空振りに終わった場合、次に打つ手を失うのではないかと、このことが我々の懸念であります。  この点について、荒木参考人、どのようにお考えでしょうか。

○参考人(荒木和博君) 経済制裁をやっても中国や韓国が支援するから効果がないと、よくそういう言葉がございますが、私は、それは現実には合っていないと思います。  特に私が注目いたしますのは船舶の入港禁止でございますが、北朝鮮の船舶というのは、いわゆる問題になっております万景峰以外でもほとんどの船に北朝鮮の工作機関の要員が乗船して、そこに工作員を、日本の中にいる工作員とか朝鮮総連の幹部を呼び付けまして指示を出すというようなことをやったりいたしております。  当然、工作船の浸透は今でも頻繁に行われていると思いますけれども、やはりこういう公式ルートで来るものを遮断することができれば、北朝鮮側はそこを何かの無理をせざるを得ない。それは、やはり非常に北朝鮮側にとって負担になることでございまして、それをやるということは、プレッシャーは、その効果、さらにそれだけ日本が強い姿勢を示しているんだということによって、これが北朝鮮の体制の中に与えるプレッシャーという精神的な効果も極めて大きいと思います。  ですから、そして、この効果がないというのは、ある意味でいうと、北朝鮮側から流しているディスインフォメーションである可能性も極めて高いです。効果がないというのと、やったらミサイルが飛んでくるという二つありますけれども、私は、どちらもさせないための宣伝ではないだろうかと。実際に、つまり、これは逆に言いますと、やれば非常に効果があるということの裏返しではないだろうかというふうに思っております。

○岡田直樹君 どうもありがとうございました。

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