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163-参-外交防衛委員会-01号 2005年10月11日

○岡田直樹君 おはようございます。自由民主党の岡田直樹でございます。
 三連休明けの質問ということで、一部御通告できなかったものもあるんですけれども、お許しをいただいて、よろしくお願いいたします。
 それは、パキスタンの地震のことでありまして、犠牲者が何万人とも知れない大変な大惨事になりました。JICAの楢原さん、そしてその二歳のお子さんまで犠牲になるという大変痛ましいことであります。スマトラ沖の地震、津波に続いて、我が国としてもできる限りの救助や復興支援を行うべきものと考えております。既に日本から消防庁、警察庁あるいは海上保安庁などの国際緊急援助隊が派遣をされまして、また医療チームも派遣をされた。
 そこで、防衛庁としてはどんな対応が考えられるかということをお伺いしたいと思います。スマトラ沖の際には、陸海空の自衛隊が大活躍で、現地でも非常に高い評価を受けたわけでありますが、今回も、パキスタンから要請があったような場合、自衛隊を派遣することができるか、その可能性についてお伺いをしたいと思います。大野長官、お願いします。
○国務大臣(大野功統君) まず、今回のパキスタンの大地震におきまして、尊い命を犠牲にされました方々に心から哀悼の意を表させていただきます。また、このような大きな地震の被害に対しまして、心からパキスタンの方々にお見舞いを申し上げたいと思います。
 そこで、今月九日であったと思いますけれども、ムシャラフ大統領が、とにかく輸送用のヘリコプターが必要なんだ、あるいはブルドーザーみたいなものが必要なんだと、こういう御発言をなさっております。そのことは町村外務大臣の方から防衛庁にも伝わってまいっております。
 そこで、我々は、正式な要請があればいつでも対応できるように既に検討を始めております。ブルドーザーを運ぶとなると、これはもう船で運ばざるを得ませんから大変時間が掛かる。これはちょっと念頭から外しておりますけれども、小型ヘリコプターであればこれを解体してC130に載せて運んでいける、こういうことで、今二機程度あるいは二、三機程度を運んではどうかと、これはC130で運ぶわけでございますけれども、そういうことで既に検討をしております。早ければ今週末にでも正式要請がきちっとあれば派遣して、とにかくこういう国際緊急援助活動を自衛隊も一生懸命やっているんだ、一生懸命やらせていただきたい、このように思っております。
 なお、一つだけ申し上げたいのは、やはり実力部隊でございますので、相手側に自衛隊として運用していくんだ、この了解は取っていかなきゃいけない。こういう点はきちっとして、そして自衛隊としてできる限り応援をさせていただきたい、このように思っております。
○岡田直樹君 特に、自衛隊の場合は相手国からの正式な要請というものが必要だと思います。町村大臣に、恐縮なんですけれども、そういう御要請というのは今のところまだ入っておりませんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 自衛隊を特にという話が来ているとは私は承知をしておりませんが、今日の夕方には谷川外務副大臣が現地に到着すると思います。したがって、明日先方のしかるべき要人と会ってそんな話も出るのかなというふうに思っております。
 また、我が方の対応としては、自衛隊以外のことで、正式の要請が必ずしもないまま我が方で独自でこれが必要であろうという判断をして、緊急援助隊の派遣、あるいは緊急援助物資の提供、更には今日の閣僚懇談会でも報告いたしましたが二千万ドルの資金、無償資金協力といったようなことは、もちろんその中身については今後先方と協議して決めていくわけでありますけれども、積極的に先方の要請を待たずともやれるものはどんどんやっていこうということにいたしております。
○岡田直樹君 外務省と防衛庁とが連携をして、自衛隊派遣の用意があるということをパキスタンの方にむしろ積極的に打診をするぐらいのことがあってもいいんではないかなと私は思います。NGOや赤十字の方々も当然支援に当たられるわけですけれども、現地は混乱していて危険もありましょうから、やはり自衛隊の人員の派遣ということも必要ではないかと思います。
 スマトラ沖のときも、大野大臣、大変積極的な姿勢を示されて迅速に自衛隊の派遣を命ぜられた。今回もそのように対応をしていただきたいと思うんですけれども、先ほど機材の件についてはお話がありましたが、人員についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(大野功統君) 人員についても検討をさせていただいております。ただし、今現在どのぐらいの人員が必要になるのか具体的に申し上げる段階ではございませんけれども、やはりきちっと対応をできるような人員を是非とも派遣したいなと。ひとつ、要請がある、そしてそれに応じて最大限の努力をやらせていただきたい、これも素早くやっていきたい、このように思っています。
○岡田直樹君 素早くという御答弁をいただきました。特に被害の大きいカシミール地方は周知のとおりインドとパキスタンの紛争の地でありまして、パキスタン政府は、インドからの支援物資は受け入れるけれども、しかしインド軍の人的な支援というものはなかなか受け入れ難いと、こういう話も聞いております。その点、自衛隊であれば抵抗は少ないと思いますし、スマトラ沖地震の際の経験もあると。引き続きのことで自衛隊の方々には大変御苦労でありますけれども、日本が国際社会でより信頼をかち得ていくためにも是非人員の派遣も御検討を願いたいと、こんなふうに思います。
 以上、通告できなかった部分で急な御質問で大変失礼をしました。
 次に、先日一部の新聞の報道によりますと、在日米軍の再編協議に絡んで、自衛隊が、今回のパキスタンのような大災害とかあるいは紛争の後の復興支援、あるいはテロとの戦いにおける後方支援、こうした点で米軍の任務を一部肩代わりするような、そういう役割分担というものが検討されておると、そういう報道がございました。
 この点について、可能な範囲で大野大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) 今、米軍再編成と我々は言っておりますけれども、実は同盟の改編とでもいう部分と、それからもう一つは米軍の再編成という部分と、二つ分けて考えることができるわけですね。それで、同盟の変革という意味は、要するにお互いに協力し合って、その中で役割分担をやりながらやっていこうと、この部分について今先生お尋ねがあったと思います。それからもう一つの部分は、いわゆるそれを支える、そういう目的を支えるための米軍基地を含む米軍の構成の問題、こういうことでございます。
 現在、今申し上げましたような変革と再編成という問題、第二段階の問題として取り組んでいるところでございまして、いわゆる自衛隊と米軍の役割分担能力等について、あるいはインターオペラビリティーについて議論をしているところでございますし、また米軍の施設・区域の問題も同時に議論している、こういう段階でございます。
 この問題につきましては、今申し上げたいのは、自衛隊と米軍の周辺事態における協力をどうしていこうか、こういう問題が一つ。それからもう一つは、やはり我が国に対する武力攻撃事態等において共同対処する場合どうするかという問題に加えて、やはり今先生も御指摘なさいました津波災害救援のような国際的な安全保障環境の改善のためにどういうふうに取り組んでいったらいいのか。そういう問題を議論するに当たって、その心は、やはり情報を共有しよう、そして情報を取る場合にどっちが役割分担でやっていこうか、あるいは共同対処でやろうじゃないか、共同運用でやろうじゃないか、こういう思想の下にこういう議論をやっているわけでございます。
 新たな安全保障環境の下におけるいろいろな課題に積極的に対応していく、そのための役割、任務、能力に関する検討でございまして、十分お互いに議論し、理解し、そして結論に到達すべくやっておりますけれども、具体的内容といいますと、今この段階でちょっと申し上げる段階ではないかとも思いますので、いずれ近いうちにはっきりとした文書にしてまたお示しできる時期があると思います。
○岡田直樹君 今の時点で具体的に詳細にということは難しいかなと思いますけれども、大臣のおっしゃった情報共有あるいは共同対処、新聞報道によりますと、被災地に哨戒機を飛ばして米軍その他の各国の部隊に情報を提供すると、あるいは復興支援に参加する国々、その人員、機材を輸送艦で運ぶ、そういった想定がされていると。これはあくまでも新聞報道でありますが、こうしたバックアップといいますか、国際的な安全環境を守っていくという、そういう役割というものを日本は積極的に果たすべきであると、こう思いますし、また日米間で御検討を進めていただきたいと思います。
 災害だけではなくて紛争後の復興支援、あるいはテロとの戦いの支援、そうした場合に、我が国はその都度テロ特措法とかあるいはイラク特措法、こうした特別措置法を設定して、そのまた期限も延長を重ねてきたわけでありますが、この際、自衛隊の海外派遣に関する恒久法、恒久法を制定して臨機応変に対応すべきではないかと、こういう声は当然出てくるものと思います。もちろん、厳格な歯止めをその法律に設けた上で、しかし迅速に対応ができると、そうした恒久法、私も必要だと思いますし、ちなみに民主党の前原代表もそうした恒久法が必要ではないかと、こういう御意見と聞いております。
 海外派遣恒久法の制定についてどのようにお考えか、大野大臣、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(大野功統君) 大変いい御指摘、ありがとうございます。
 やはり、国際情勢というのは大幅に変わってきております。国対国の戦争から宗教や人種的、民族的な紛争を発端とする、言わばそれを火種とする紛争も出てきている。そういう中で、どうやったら国際安全保障環境を良くしていけるのか。つまり、人種的、民族的な、あるいは宗教的な地域的な紛争がその地域の安全を脅かす、その地域の安全を脅かすことが世界的な平和や安全を脅かしてくる、それは日本にとっても脅威であります。
 したがいまして、そういう国対国で、国対国という紛争の場合には、いわゆるナショナルインタレスト、国益というものが中心になりますけれども、やっぱり世界じゅうの国々がそれを無視できない、ほっておいてはいけない、こういう状況が今新しい国際環境、国際安全保障環境の中で出てきているのではないか、こういう点が第一。だからこそ、日本は国際的な協力の中でそういう紛争を事前に防止していかなきゃいけないし、紛争が起こった後はやはり人道復興支援等を通じてやっていかなきゃいけない、こういう問題が出てくると思います。
 それから、二つ目の問題として、やはりテロの問題は無視できません。このテロという行動は国境なき行動でありますから、私はやはりこれも国際的な共同作業でテロを撲滅していかなきゃいけない、こういう要請が当然あると思います。
 さらに、もう一つ申し上げれば、問題はやはり、いろんな意味で天然災害といいましょうか、津波や地震やこういうことがあった場合に、やはり国際社会として協力していかなきゃいけない、こういう新しい観点が今一番大きな大事な問題として私は出てきていると思います。
 そういう意味で、そのたびごとに自衛隊を出すべきか出さざるべきかというような、特別立法、特別措置法でやっていっていいんだろうか、こういう反省は我々持っております。と同時に、やはり実力組織でありますから、これは集団的自衛権の問題も含めて、やはり武力行使の問題をどう考えたらいいのかと、こういう点も十分慎重に考えておかなきゃいけない、こういう問題があろうかと思います。
 この国際平和協力全体の在り方につきましては、内閣官房を中心に幅広く検討が行われておりますけれども、正にこの今先生がおっしゃったような問題意識、大変大事な問題意識だと我々は思っておりまして、国際平和協力に関する一般法の整備につきましては、今後十分御議論いただいて、そして解決の道を探っていただく、これはもう本当に大事なことだと思っております。
○岡田直樹君 残り時間も少なくなりましたが、イラク派遣の陸自部隊についてお伺いをしたいと思います。
 イラク・サマワの英軍、イギリス軍、そしてオーストラリア軍が来年五月ごろには撤収をするんじゃないかと、こういう報道もございましたけれども、この点についていかがでございますか。
○国務大臣(大野功統君) 我が国は、これまでもイラクに駐留する多国籍軍の中の関係国と十分緊密な連絡を取り合ってやってまいっております。しかしながら、イギリスもオーストラリアも来年五月をめどにサマワから撤退すると、撤退を始める、このような公式の決定はなされておりません。
 来年以降の多国籍軍の在り方につきましては、現在、治安権限移譲に向けたイラク政府と多国籍軍の共同委員会というのができておりますけれども、そこでしかるべく議論されていくわけでありますが、今後やはり政治的プロセスの問題、治安を守れるかどうかの問題、その他の問題があろうかと思います。
 現地の情勢を十分踏まえながらでありますけれども、そういう意味で、現地の情勢を踏まえるという意味で大変このスケジュールを具体的に今決めるというのは難しいという問題と同時に、やはり今スケジュールを決めますと、あっ来年何月になったらどうなるんだな、これはもう正にテロリストにこう手のうち見せるような格好になりますから、こういうことはやっぱり各国とも控えているようでありまして、やはり今後具体的なタイムスケジュールは決めるのが難しいなというのが国際的、今の各国の認識ではないか、このように思っております。
○岡田直樹君 基本計画の延長は必要だと思います。ただ、いつまでも行きっ放しになっているというわけにもいかないので、これはイギリス軍やオーストラリア軍の動向なども見極めた上で主体的に適切な御判断をいただきたいと、こう申し上げて、質問を終わらせていただきます。

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