164-参-外交防衛委員会-20号 2006年05月30日
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。
インドネシアの地震がまた大変なことでございまして、外務省、防衛庁の皆様には大変御苦労さまでございますが、十分な支援活動が行われるように御努力をお願いしたいと思います。
今日は、ただいま御報告がありました一連の外相会談のうち、中国の李肇星外交部長とお会いになっての麻生大臣の御認識というものをお伺いしたいと思います。
日本の外務大臣と中国の外交部長が会談するのはほぼ一年ぶりだと思いますが、この間にも小泉総理は靖国神社にお参りをされたわけでありまして、にもかかわらず今の時期にこの会談が再開をされたと。中国側に何らかの変化が見られたんでしょうか。この御報告では、これを契機に日中関係改善の流れができつつあると認識しましたというお話でありましたけれども、麻生大臣がこの中国側の変化をどういうふうにごらんになったか。この会談の意義や成果について、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、日中間におきまして外相会合というのは、これはAPECとかASEANプラス3等々で中国、日本、韓国と席が並んでおりますんで、話を全然していないというわけじゃないんであって、隣にいてちょこちょこ英語もできますんでそこそこ会談ができていることはもう全く問題ないんですが、いわゆるバイで正式にというのは昨年の十月以来だと思いますんで、約一年という、一年弱ということになろうと存じます。少なくともこれまでの会談と違って、とげとげしくぎすぎすしたものでなかったことは確かです。
日中間では、世界で最も重要な二国関係の一つとして重視する、また経済、科学技術等々、安全保障、あらゆる分野で交流を一層深めていくことで一致しておりますし、特に、高校生二百人の青少年交流、この間お世話になりましたけれども、既に二百人、ショートステイが終わって帰国しておりますが、今度は中国側で、それを自国の方でやりたいということを向こうが言っておりましたんで、来年の国交正常化三十五周年に向けた文化交流の重要性についても議論をいたしております。
また、東シナ海の資源開発問題などにつきましても、協力の海にするとの共通認識を再確認して、これ、不測の事態が起きる可能性もなきにしもあらずですので、局長級の会議をこれ早急に開くようにして、不測の事態に対応する等のメカニズムの設置というものの必要性についても一致をいたしております。
また、かれこれ一年間、日中安保対話を開いておりませんので、これを年内早期に実施するということもあれをいたしております。
先ほど申し上げましたように、日中外相会談は昨年の五月以来だと思いますんで、その意味におきましては約一年ぶりということになろうと思いますが、どうして変わったのかと言われれば、今年三月三十一日、日中友好七団体との会談、会合のときに、胡錦濤主席の述べた演説というのがございます。抜粋ですけれども、何回か読ませてもらいましたけれども、あの中に答えがあると存じます。
何となくこっちに対して靖国の話ばかりが日本のマスコミによっては一部しか報道されておりませんけれども、全体の三分の二ぐらいは、日中は和すれば双方に利益をもたらし、争えば双方の利益を損なうこととなる、日中の友好協力関係の発展は、両国国民の根本的な利益に合致し、アジア及び世界の平和、安定、発展にも重要な貢献をする等々、これ、ざあっと書いてありますんで、この文章を引用して、少なくともこういった話をおたくの一番偉いのが言うとるわけだから、少なくとも日中関係については、少なくとも外務大臣レベルにおいては、上は話が合わないと言ったってこっちは別に会わない必要はないんであって、少なくともカタールのドーハまで来なきゃ会えないなんというのはおかしいんじゃないかと。こっちはいつでも会うと言うておるんですから、少しお互いにもっと近くで会ったらどうですという話をして、げらげら笑いながらにこにこ、お互い時間も無駄だし、金も掛かるし、もうちょっと近くでやったらどうというような調子で話ができるようなところまでは行けたと思っておりますんで、前向きな見方になりつつあるのかなと思っております。
以上です。
○岡田直樹君 麻生大臣のキャラクターでこの会談が、対話が再開されたことをまず歓迎をしたいと思うんですけれども、今朝の自民党の外交部会でも佐々江局長が、中国側に変化が見えたと、こういうふうに言われて、その後で議員の方から、本当に変化をしたのか、首脳会談はまだじゃないかと、こういうふうに質問をされて佐々江局長は、変化の兆しぐらいだと、こういうふうに言い直す場面もありました。依然として靖国参拝については政治的障害であると文句を付けながらも、少し関係を修繕して実利を得たいと、こういうのが中国側のもくろみではないかと思います。
今の小泉・胡錦濤会談、これが実現をする見通し、私は小泉政権のうちにできればよし、できなくてもよしと、こんなふうに思っておるわけでありますが、この見通しについて大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 両首脳間の会合をこちらから申し込んだわけではありませんので、この問題についていつごろどうのという答えを今ここに申し上げられる資料を持っておりません。少なくともその前にもう一回どこか近くで日中外相会談はやっておいた方がいいんじゃないのかなと思って、投げ掛けてみようとは思っておりますけれども、何となく今、まあこれが第一歩というところかとは思いますんで、一年ぶりの話ですから、これから後、どうでしょう、六月に日米が行われる予定ですから、それが行われた後、続いてすぐサミットになりますんで、それ以降かな、できてもそんなものだと思っておりますが、時間的なタイミングはちょっとどうなるか、今のこの段階で確たることを申し上げれるような段取りにはなっておりません。
○岡田直樹君 今朝の部会で佐々江局長はこの問題について、日中首脳会談は日本側から頭を下げてお願いをするという筋合いのものではない、こういうふうにかなりお役人としてははっきりした口調でおっしゃいました。大臣も同じようなお考えだと思いますし、私もそのことを支持したいと思いますが、この点について重ねて大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(麻生太郎君) この話はこっちはいつでもオープンということをずっと申し上げておりますので、それ以上でもありませんし、それ以下でもない。結果として、是非会ってくださいというような種類の話ではないと思います。
○岡田直樹君 前回の外務大臣と外交部長のバイの正式な会談というのは、先ほどお話のありました去年の五月、町村大臣が李部長と京都で会談をした。そのときはあの例の反日暴動の直後でありまして、町村大臣から謝罪と賠償を要求したのに対して李部長は取り付く島もなかったというような記憶がございます。
今回、久々に外交部長と外務大臣お会いになって、そこでこの事件について何らかの言及をなさいましたか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の会談で、過日のあの暴動に関する賠償等々の話を直接してはおりません。
○岡田直樹君 先日、四月の二十日だったと思いますが、この委員会で私は、日本人というのは過去のことを忘れっぽいけれども、この件に関してはしつこいぐらいにどうか繰り返し言及をお願いしたいと、こんなふうに御質問しまして、大臣からも、これは中国に対してはっきりと物申すことのできる外交のカードと考えておると、こういう趣旨の御答弁をいただきました。
今回は久々の会談でありますし、その冒頭になかなか一年前のその謝罪や賠償というものを求めるということはちょっと雰囲気的にも難しかったのかなと思いますけれども、今後とも折に触れて、時効の中断ではありませんけれども、折に触れて言うことが大事であると思いますので、どうかこの点についてお願いをしたいと思います。
この会談の一日置いて二十五日でしょうか、中国外交部の劉建超という報道局長、スポークスマンが麻生大臣について、麻生外務大臣は我々が中日関係、中国側からですから、中日関係を改善、発展する上で協力すべき重要な同僚であると、重要な同僚であると、こういう論評をしたわけでありますが、この点についてどんなふうに受け止めておられるか、お尋ねをしたいと思います。
この劉というスポークスマンは、去年の十一月、靖国神社に絡めて麻生大臣のことを歴史に正しく向き合う勇気がないと、こういうふうにけなしていたのと同じ人物なんでありまして、何か風向きが急に変わったというか、いきなり持ち上げられてちょっと薄気味悪いなという気もするんでありますけれども、この辺り、大臣はどのように御認識でありましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) ちょっと、その人が何と言われたかという、そのテレビを見ておりませんので何とも答えようがありませんけど、同僚と言われて、ちょっと何となく、言葉というのはなかなか危ないんで、何をもって同僚としているのか、よう分かりかねますけれども。
いずれにしても、胡錦濤という人の使ったこのせりふを引用して、この中で日本側との関係を修復したいという旨のメッセージがあの中に使われておりましたんで、それを私どもが引用したところが、何でしたっけ、今、何の同僚……
○岡田直樹君 重要な同僚。
○国務大臣(麻生太郎君) 重要な同僚、重要な同僚と言った背景、背景かなと思いますけど。
ああ、これですか。ちょっと今初めて読みました。多分そんなところ、そんなところだと思います。
○岡田直樹君 昨日、質問の御通告をしたときに、外務省の方からこの報道官のコメントについてペーパーもいただいたんですけれども、今、麻生大臣がおっしゃったように、その同僚という言葉に私ちょっと引っ掛かりがありまして、これ外務省のスポークスマンが隣国の、しかも重要な国の外務大臣に対して使う言葉かなというふうに思うんであります。日本の新聞の中にはパートナーというふうにきれいに訳した新聞もありましたけれども、このトンシーというこの同事、事を同じゅうするというか、どう考えても日本語で言うと同僚という程度の軽い言葉のように思うわけであります。ポスト小泉の一角で次の日本の指導者たらんとする麻生大臣に対して、この劉何がしという人はまだ四十そこそこの、日本でいうと課長クラスの人かなと思うわけでありますけれども、これは外交上の儀礼にももとるし、中国で言う長幼の序にももとるんじゃないかなと思います。
これは、麻生大臣というよりも外務省の方にちょっと、こういう言葉使いというのはおかしいんじゃないかということをお尋ねしたいと思いますが、梅田参事官、いかがでしょうか。
○政府参考人(梅田邦夫君) ちょっと私、中国語の専門家ではございませんので、この同僚という漢字を使って中国語でどういうニュアンスを有しているのかというのを改めて確認させていただきたいと思いますが、仮に日本語と同じような意味で使っているんだとすれば、それはやはり失礼な言葉だと思います。
○岡田直樹君 ついでに申し上げますと、その李外交部長という人も本来、麻生大臣と対等に会談をする相手かなというふうに常々私は思ってまいりました。
中国の場合、胡錦濤主席がいて、温家宝総理がいて、唐家センという国務委員もおり、そして李外交部長ということになるわけでありますけれども、中国には部長という人が相当たくさんいるようでありますし、国家の序列で百番以内かと昨日お聞きをしたらちょっと即答はされなかったような、そういうクラスではないかなと思います。国のシステムが違うから一概には比較ができないわけでありますけれども、小泉総理に次ぐ地位にある麻生外務大臣のカウンターパートが本当に李部長でいいのかなと、こういうようなことをちょっと、日中外相会談といいながらどうも一枚格下の相手と付き合わされているような、そんな気がしてならないわけであります。大臣はお気持ちが広いからこんなことは気になさらないかもしれませんけれども、この辺りのことについても一度御検討をいただけたらいいんじゃないかと思います。
いろいろと水を差すようなことというか、余計なことも申しました。二十分の質問時間はあっという間に過ぎてしまうわけでありますけれども、今回の会談をきっかけにして、そしてこれを前向きにとらえながらも、中国側の介入を許さずに、また日本側の原則を曲げずに、しかし日中関係を改善をしていくと、大変難しいお仕事でありますけれども、大臣の御決意というものをもう一度お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には日本と中国というのは、大化の改新にさかのぼって一千五百年以上の長きにわたって国として成立しておりますんで、ヨーロッパの数百年の歴史とはまた大分違うものがあろうと存じます。しかし、その長きの間にわたって、十三世紀の侵略にも耐えて、日本という国は自主独立を維持し続けた数少ない、中国周辺国の中にあってはそういったものをやってのけた数少ない独立国なんだと存じます。
したがいまして、私どもとしては、これは隣国ですから、これはいろいろ、体制が変わってみたり何となく政治情勢が変わってみたりするのはこれは避けて通れないところですが、しかし隣国である以上はそこそこうまく付き合っていくというのはこれは避けられないところでもありますので、引っ越すわけにいかぬもんですから、それであれば、しかるべく対応というものをやりながら、私どもも自国の国益というものを考えてやってきちんと対応していかねばならぬと思います。最も難しいところだと思いますけれども、今後とも、岡田先生の御指摘、大事なところだと思っておりますんで、基本を外さないようにして対応してまいりたいと存じます。
○岡田直樹君 ありがとうございました。終わります。
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