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165-参-外交防衛委員会-03号 2006年10月26日

○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。
 テロ特措法の本論に入る前に、麻生大臣に一つお伺いしたいと思います。
 私、お世辞を言うつもりはないんですけれども、麻生大臣のお話はいつも大変面白いなと思って感心をしているんです。前の自民党総裁選挙でも度々お話を伺いましたけれども、常に本音で物事をおっしゃる。それが国民の間にも麻生人気というのが高まってきた理由ではないかなと思うわけであります。
 世の中でタブーと思われていることについても包み隠さずに開けっ広げにおっしゃる。本音でおっしゃる。国会の答弁もそうでありまして、私、以前に予算委員会で台湾のことをお尋ねしたときも、大臣、そこまでおっしゃっていいんですかというほど、びっくりするほど踏み込んだ御答弁をいただいて、非常に私もうれしく思った記憶がございます。
 ただ、核保有の問題、非核三原則の問題でありますけれども、前回の委員会でも質疑がありまして、大臣は、言論封殺をしない、なぜ核を持たないかという理由をきっちり議論しておいた方がいい、こういうふうにおっしゃいました。その姿勢には全く賛成でありまして、間違っていないと思います。
 ただ、青二才が老婆心で申し上げて大変恐縮なんでありますけれども、世の中には揚げ足取りといいますか、挑発的な質問というものも多くございますので、是非それには乗らないようにお願いをしたいなと思うわけであります。
 前回、久間大臣もおっしゃいましたように、今のタイミングで内外の疑心暗鬼を招かないように、非核三原則の議論は行うとしても、これを非常に慎重に行った方がいいと、こういうふうに考えるのが妥当ではないかと思うわけであります。
 言論封殺はすべきではない、しかしまた、世の中に議論していけないということはないと、これは大臣と同様の考えでありますけれども、しかし、非核三原則の議論というものは極力慎重に行うべしと、こういうふうに御答弁いただければいいのではないかと。この辺り、大臣のお考えをもう一度お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 国家の安全保障の在り方というものにつきましては、これはもう岡田先生おっしゃるように、それぞれ時代の状況も変わります。したがって、明らかに今こういった議論が出てきた背景というものは、北朝鮮という隣国、日本にとっての隣国が核を保有する、しかもそれを搬送するミサイルは既に実験から実戦配備の段階、訓練ができるまでになったというのは、今年の七月のあのミサイルの状況を見ても明らかということになっておるという状況は、全く新しい状況になってきております。そういった状況の中にあって、この非核三原則の話というものは当然話題になってきておかしくない。
 ただ、何回も申し上げてきましたように、この非核三原則という原則、これはたしか佐藤栄作内閣ぐらいのときにさかのぼるんだと記憶しますけれども、この原則を今の政府として変えるというようなことはないということはもう累次にわたって過去の内閣もこの安倍内閣も同様なことを申し上げて、堅持していくということを申し上げております。加えて、これ原子力基本法という法律もありますし、NPT条約というものもありますし、そういったものも考えて、基本的なことはないと、そういったことは変更はないんだということはもう何回となく申し上げてきたということだけは御理解いただかないと、何となくその後ろの話ばっかりがわあっと出てくる。ところが、まあ大体そういうものですけどね、世の中というのは、そちらの方ばっかりが出てくるんですけれども、最初に言った前提の話は全然なさらぬというと、これをした上でという話を申し上げたと思いますので、岡田先生の御指摘というものを重々大事にして対応してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○岡田直樹君 はい、了解しました。
 それでは、本論に入りまして、テロ特措法に基づく海上自衛隊の協力支援活動についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど、同僚委員から、町のレストランがおいしくて安いものを出していると、そう自慢しているだけでは駄目だと、こういうお話もありましたけれども、しかし、安くておいしいものを作り続けていればやがて評判になってみんなから認められてということはあると思うんです。日本にできる仕事、これはおのずと限界がありますけれども、それをしっかりとやっていれば、世界の信頼を得て、またいずれはアフガニスタンの人たちからも感謝をされるようになると、そういうふうに思うわけであります。
 防衛庁長官あるいは防衛庁の方に、海上阻止活動に対する給油、給水支援、これ本当に地道にこつこつと続けてこられたわけでありますけれども、その成果はどうであったか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁あるいは自衛隊がやっているのは補給活動なものですから、補給活動でどれだけの成果が上げたかという、そういうことになりますと、それは要するに補給活動を通じて海上阻止活動が非常に円滑に行われた、海上阻止活動によって武器の移動とかあるいは兵士の移動とか麻薬等の密輸等が止まったとか、あるいはそこを使ってそういうような行動の自由が制約されたということでありまして、補給活動そのものがどれだけ成果が上がったかということになりますと、それは今言ったような海上阻止活動をやっている軍艦とか、そちらの方の結果がまあ喧伝といいますかPRされるのであって、補給活動そのものについては非常に地味なわけですね。だから、そこのところがどうも、一生懸命PRをやっているけれども、これだけの成果が上がりましたと我々が言うような内容ではないというところはひとつ御理解賜りたいと思うんです。
 だから、いつもこういう委員会での答弁、今までのいろんなことを聞いていますと、やっぱりそういうような成果物としては、海上阻止行動によってどうだったということを、やれ麻薬が五百億円相当分を押収したとか、そんな話が上がっておりますけれども、私はそれよりも、補給活動を日本がやることによって海上阻止行動がこれまで五年間にわたってずっとやられてきた、そのせいでかなりの制約がテロ組織に加わっておったということが、これが一番の成果じゃないかと思っておるわけであります。
○岡田直樹君 私もそういう下支えの、本当にふだん国民の目に映らない、そういう努力を海自が営々と続けてきたことを本当に高く評価をしたいと思います。
 どうしてもイラクに派遣をされた陸上自衛隊の方に注目というか脚光が集まりまして、海自のこの活動は洋上で、海の上でやっているせいもあってなかなか国民の目に映らない、どちらかというと陸自の陰に隠れがちでありましたし、今イラクから陸自が撤収をしたと、そうするともう自衛隊の海外での活動は一段落したのかなと、こういうふうに思っておる国民も多いと思うわけであります。この辺り、余り自衛隊というところは宣伝は好まないのかもしれませんけれども、もっと国民に対してPRをする努力があってもいいのではないかなと、こう思いますが。
○国務大臣(久間章生君) 防衛庁にしても自衛隊にしても、結構広報活動はやっておるわけですけれども、要するに洋上なものですから、一般の民放のテレビ、あるいはNHKも含めて要するにそういうテレビ、あるいはまた記者、そういうのが現場に行って取材して報道するような、そういうチャンスというのはなかなか難しいわけですね。どうしてもそういうところが手薄になるものですから、何か地味な、一生懸命やってあの炎天下の中で本当に苦労している割には報道されていないという、そういうもどかしさを私自身も感じておりまして、もう少し何か国民の皆さんにも、これだけのことをやって、これが海上阻止行動として、そしてテロとの戦いで効果を上げているんだということを何かもっと効果的な方法はないのかなと思いますけれども、なかなか難しい点も実はあるわけであります。
○岡田直樹君 各国の評価というものもこれは大事な基準だと思いますが、外務大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 各国の評価ということに関して言わせていただければ、日本の取組ということについては、アフガニスタンのカルザイという大統領がこの間来たときも直接私また総理に対しても言っておりましたように、NATOの加盟国の理事会というのに初めて日本の閣僚として出席をさせていただきましたけど、みんなが言うのは、もう感謝、これだけです。もう今日、海軍を派遣している国は、もう全員このおかげで我々はあそこで活動、海上阻止行動ができると述べておりますので、このことに関しての評価は、あそこに艦船を派遣している国は極めてそこらに対する感謝の念というのはもう非常にはっきりしておりまして、逆に言えばこれしか言わないというぐらいな感じであるというのは事実だと存じます。
○岡田直樹君 今お伺いしておりましても、この海上自衛隊の活動の必要性というものは依然として存在をする。必要性がなくなってきた、あるいは減ってきたんじゃないかと言う人もいますけれども、私はそういう考え方にはくみしないわけであります。むしろ、北朝鮮の核実験によって新たに大きな意味合いというものが加わったのではないか。このインド洋での活動と北朝鮮の脅威というものを切り離して考えるべきであるというお話もありましたけれども、私はこれは密接に関係をしておって切り離すことはできないと思うのであります。
 北が仮に核の開発に成功して、それが小型のものであれば万一テロリストの手に渡らないとも限らない、そういった危険性についてはアメリカが厳重な警告を既に発しておりますけれども、この意味でも海上阻止活動というものは粘り強く続けていく必要があるし、海上自衛隊の補給活動も依然として重要であり、また新しい意味合いが加わった、そういうふうに思いますが、防衛庁長官の御見解というものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 今おっしゃられているのが、インド洋での活動が北朝鮮との関係でも重要になったとおっしゃるのか、それとも北朝鮮との関係で我が国が対応することがもっと我が国周辺で増えてくるからそれとの絡みでどうなのかという、どちらの問いなのかちょっと分かりませんが。
○岡田直樹君 両方。
○国務大臣(久間章生君) 私たちが考えておりますのは、やっぱり海上阻止行動というのはテロとの戦いで非常に効果を上げておると、そういう認識をしておりますし、しかも今、アフガン自身でも、他国が三十七か国も参加して、今、治安部隊として、国際部隊として活躍している、アメリカは掃討作戦みたいなことをやっていますけれども、そういうときに、やっぱり我が国としても海上阻止行動については引き続きやっぱりやるべきであるというふうに思っております。
 しかしながら、その一方で、我が国周辺でもこれから先どういうふうに推移するかによっては、かなりいろんな海上阻止行動みたいな、あるいはそれを、我が国自身が海上阻止行動はできないわけですけれども、いろんなことをやってきたときに、こちらの方にももう少し重点を移すべきではないかという状況が生まれるかもしれないという、そういう意味では十分そこは頭の中に入れているわけであります。
 幸いなことに、補給艦がこのインド洋に派遣した当時は三隻だったわけですね。そのうちの二隻を向こうに持っていった、それを一隻に減らした、そのうちまた補給艦が五隻に増えたので、いわゆる二隻は維持管理と、あるいは訓練等に余裕を持っておるわけでございますから、そういう意味では直ちにどうなるということにはなりませんけれども、我が国周辺の状態がもっと複雑に緊張を要してきた場合には、場合によってはそれはそっちの方に、主たる任務ですから、主たる任務の方に力を注がざるを得ないというそういう状況は出るかもしれませんが、今のところはまだこちらの我が国周辺の問題についてその推移を見ている段階でございますので、やっぱり今やっておるインド洋の問題について全力を挙げて取り組んでおるというその状況はこの当分の間は変わらないというつもりで、今この法案の延長をお願いしているところであります。
○岡田直樹君 今の長官の話、よく分かりました。
 仮定の話でありますけれども、もし北朝鮮のこの核の脅威というものがもっと深刻化するような場合には、この北朝鮮周辺で船舶検査ということになるかもしれないし、米軍その他に対する補給というような事態になるかもしれない。そういったときのそのインド洋の方と北朝鮮周辺、日本に近いところと両面作戦ということにならないとも限らない。もう既にそういった御検討も内々にはしておられると思いますけれども、その辺り、是非緻密に今のうちから御検討いただきたいと思っています。
 先ほども、どうしても海上自衛隊の補給活動は地道であってなかなか認識が得られないと、こんな話がありました。先日も参議院の本会議で、我が国はガソリンスタンドではないと、こういう御質問も出たわけで、これはこれが初めてではなくて、以前から自衛隊は無料のガソリンスタンドをやっておるんではないかと、こんな話があるわけですけれども、これは余り自衛隊にとってもいい気持ちはしないし、ガソリンスタンドの方でも、そこに働く人たちも何か仕事を低く見られて嫌な思いがするんじゃないかなと、こんなふうに思ってきたわけであります。
 海自の活動、我々は、さっき言葉が出ましたけれども、ドンパチをやるわけにはいかないわけでありますから、後方からしっかりと支援をしていく、そういう活動が我が国にふさわしい仕事であろうと、こう思います。こんな意味でガソリンスタンド云々と言われることはもうやめていただきたいと、そういう言葉は不適切ではないかと、これが私の思いでありますが、防衛庁長官や外務大臣、どのようにお考えになるかお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 一般の方は、補給をするというのはまあ非常にいとも簡単な、ガソリンスタンドで補給するようなそういうイメージを持っておられるわけですけれども、なかなか洋上で、しかもインド洋というあの中で補給するというのは、先般、与野党の先生方も一緒に行かれたようですけれども、なかなか大変なわけですね。
 それと、とにかく炎天下で、条件が非常に悪いところなものですから、そういうところでやっているというそう状況のイメージがなかなかわかないわけで、各国のいろんな評判がいいというのは、それはもちろん補給をしてもらっているというそれもあるかもしれませんが、補給技術が非常にうまくて、スムーズに短時間で補給ができるというそういうことに対する評価もあるわけでありまして、その辺を洋上のガソリンスタンドだというふうなことで言われますと、隊員のみんなに対しても私は非常に気の毒な感じがいたします。
 だから、余りそういう言葉は使ってもらいたくないなという思いはあるんですけれども、これはもう使う人の勝手ですから、さっきの話じゃないけれども、言うなとは言えないわけですけれども、どうか状況はそうじゃないんだということで、あの洋上での補給は補給をやっている間が一番ある意味では弱いんですよ。そういう弱いところを攻撃されるために、上で絶えず哨戒しながら、その情報をキャッチしながら、いざというときには反撃するような、そういう状態を保ちながら補給しているというそういう現実、その辺についても、日本の評価が高いというのはそういうことも含めての、非常に補給技術が高いということについての評価も是非先生方にもしていただきたいと思うわけであります。
○国務大臣(麻生太郎君) ガソリンスタンドの話も、先ほどの私の核の話と同じで、言論封殺をするつもりはありません。言う人はその程度の認識の人もいますから、それは、それによって隊員の士気が落ちるというようなことに配慮がないという方もいらっしゃいますから、それは、それに対して、まあそういう人もいらっしゃると思っております。
 ただ、ヨーロッパの艦船からいくと、神の手、ゴッドハンズというんですけれども、とにかく船を寄せてから、いわゆる船を並航、走らせて、あの荒れた海の上で合わせるというのはかなりな技術が要るんですが、それはもうとにかく、すっと寄せる技術は、もうとにかく神の手というのが言われるぐらいあっという間にやってのけるという、普通は給油している時間より合わせる方に時間が掛かるぐらい不器用なところもありますので、慣れていなきゃそういうもの。それを短時間にあの一番襲われやすい状況をやってのけることに関しては、もうただただ感謝というところも極めて多いというのが、いわゆる海軍に従事しておられるこの種の職業軍人さんの一様の評価というのも確かであります。
 加えて、隊員の士気、規律が極めて高いというところも、これは寄港しております港で全員言うところでもありますので、そういった意味では、海外におけるこの海上自衛隊の補給活動の評価というのは国内より海外の方がはるかに高いというのは、先ほど岡田先生言われましたように広報活動に難があるのか、ちょっとそこらのところはいま一つ研究してみなきゃいかぬところかなと思ってはおります。
○副大臣(浅野勝人君) 三年前、私はオマーンの沖合で現場を見てきておりますので、今、両大臣の答弁、身にしみて同感いたします。
○岡田直樹君 先ほど外務大臣がおっしゃったように言論封殺はすべきでないので、こういう言葉を使うか使わないかはむしろ良識の問題であろうと、こういうふうに思うわけであります。
 先ほど、浅野副大臣、現場を御視察になったお話をされました。ほかに行かれた方からお伺いをしましても、この補給艦の甲板に卵を割って落とすとすぐに目玉焼きができてしまうという、それだけの灼熱というか酷熱の中での大変厳しい作業なわけであります。また、クーラーはあることはあるけれども温風器のようであったと、こういうお話もありました。
 そうした厳しい条件の中で長期間奮闘しておられる隊員の心身の負担というものはどういうものであるか、まあ大体察しが付くわけでありますけれども、またそのケアというものをどうしておられるか、防衛庁にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) これまでに十八名だったと思いますけれども、やっぱりそういう帰ってきた隊員がおります。やっぱり行くときも健康チェックをして、また向こうでも健康チェックをして、帰るときにも、途中でも健康チェックをしておりますけれども、やっぱりどうしてもそういう状況が出ますが、やはりこれから先も隊員のケアについては注意を払っていきたいと思っております。
 やっぱりそういう過酷な状況でございますんで、なかなかそういう病気にならないというわけにもいきませんので、本当にこれは注意しながらやっておりますけれども、そういう過去の間にそういう傷病者が出たというのは非常に残念ですが、それに対しても十分なことをやっていこうと思っております。
○岡田直樹君 是非、万全を期していただくようにお願いをしたいと思います。
 先ほど補給艦保有隻数が三隻から五隻になって、若干その運用にも余裕ができてきたというお話を伺いましたけれども、やはり自衛隊にとっていろんな装備が必要なんでしょうけれども、この補給のようなロジスティックスというのか、後方支援のその能力というものがこれから一層重要になるんではないかと思うわけであります。国際平和協力が本来任務になるとすると、ある意味でいうと、後方こそその前線になるというか、後方こそ正面の活動になると、こう申し上げてもいいんじゃないかと思います。
 海上自衛隊は、発足の当初から対潜水艦戦を重視して多くの護衛艦や潜水艦あるいは対潜哨戒機といった装備をそろえてきたわけであります。今後もロシアや中国の潜水艦には備えなくてはいけないし、あるいはイージス艦、ミサイル防衛にとって重要でありますが、しかしそれと同時に、同時にというよりは実際には働く機会の多いのはこういう補給艦のような後方を支える装備ではないかと思います。
 こうした自衛隊の今後の装備あるいは編成の在り方について、久間大臣、お願いをしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) 確かに補給艦の果たす役割というのも大きくなってきておりまして、防衛大綱上は昔も五隻になっておりまして、今も五隻でございますが、中身としてはかなり充実させてきたつもりでございます。これから先もこの五隻体制でうまくローテーションを組みながら、いわゆるそのうち一隻はどうしても維持補修でローテーションでやっていかなきゃなりませんが、そういうようなことでやっていこうと思っておるところでございます。
 まあ防衛装備も、やはり今は限られた財政なもんですから、その中でどういうようなものから優先的にやっていくか、それを切り詰めながらやっておるわけでございまして、補給艦が重要であるといっても、早急にじゃミサイル防衛の前倒しとどちらをするんだとなりますと、六隻目を要求するよりはやっぱり五隻体制でいってミサイル防衛の方にシフトしていくというような、そういうことを取らざるを得ない現況も御理解賜りたいと思います。
○岡田直樹君 以上、いろいろとお伺いをいたしまして、このテロ特措法に基づく海上自衛隊の協力支援活動というものは依然有意義であり、期間の延長というものは必要であると思いますが、しかし、もちろん早く目的を達成をして区切りを付けることができればそれにこしたことはないわけであります。しかし、このテロとの戦いというものはなかなか簡単には終わりそうにないわけであります。
 私、アメリカは日本にとって掛け替えのない同盟国であると思いますし、北朝鮮の核実験によってその日米同盟の重要性というものは更に大きくなったと思っています。この九・一一に端を発するアメリカのテロとの戦いを粘り強く支援することが同盟国に対する信義の上でも重要であると思うわけであります。しかし同時に、イラクやアフガニスタンの現状を見るとき、アメリカが本当に泥沼にはまっていくのではないかという危惧というものはやはり強く感じざるを得ないわけであります。
 イラク戦争は、フセインのあの軍事独裁政権を倒したと、これだけでも成果があったと思うんですが、しかし、ブッシュ政権の政策全体が全体として適切であるかというと、必ずしもそう言い切れない面もあるんではないかと。もし、麻生大臣がブッシュ大統領やライス長官のような立場にあったらどういうふうに考え、行動をされるか。日本が同盟国としてアメリカに助言あるいは直言をすべきことも多いと思いますが、この辺り、少し大局的、本質的なお話でありますけれども、麻生大臣のお考えというものをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、戦争が終わった後のいわゆる統治、治安というのが大きな課題になったんだと思っております。少なくとも今、イラク、アフガニスタンで実行をもうちょっと早くからスタートさせれば良かったと思いますが、いわゆる現地人に、いわゆる治安、いわゆる軍ではなくて警察、これ治安は軍の仕事ではありません。警察と軍というのは似て非なるものであって、警察というものはその住民の中に入って一緒に生活した中からいろいろ、軍は軍で完全に独立したものでありますから、これは一面似ておりますけれども、本質が違います。したがって、警察活動というものの方が非常に大きな要素を持っていると、治安の面においてはそう思っておりますので、一日でも早くアメリカ人若しくは外国人からイラク人に、外国人からアフガニスタン人に治安というものを、その実体を移すということを早く強化すべきと、私自身は基本的にそう思っております。
 したがって、これはもう既にアメリカの、もう大分前に、総務大臣のときでしたかね、アメリカにもそういうものなんではないのかという話をしたことありますけれども、外務大臣になってからもこの話を事実しておりますけれども、確実に今その方向でアメリカはイラクの軍隊並びに警察を猛烈な勢いで拡大し、今それが訓練、これは訓練が要りますんで、基本的なところの訓練も今開始がされつつあるというのは一つのいい傾向かなと思っておりますけれども、これはもっと早くやるべきと基本的にはそう思っておりました。
○岡田直樹君 アメリカ始め各国が苦労している背景には、どうしても宗教の問題、イスラムとキリスト教、ユダヤ教といった、こういった宗教対立というものも一つの原因になっておると思うんです。日本は幸い、キリスト教国というわけではなくて、その対立の局外にあると言っていいと思いますし、また帝国主義の時代に、イギリスのようにこういった地域を支配したと、あるいは強い影響下に置いたということもなくて、この地域に関しては日本は言わば手を汚していない。そうした日本なればこそ果たし得る役割というものがあると思います。それは、先ほど同僚委員も言われたその多面的な、言わばNGOとか民間とかそうした方々も参加をしてのアフガンの国づくりということであろうと思いますけれども、この点について外務省はいかにお考えか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(浅野勝人君) 元々、ODAを有効に活用して紛争の平和的解決とか開発途上国の安定した経済成長だとか貧困対策とかイスラム穏健派との関係強化とか、様々な課題と積極的に取り組んでいくのがテロとの戦いの基本だとは思いますけれども、岡田議員指摘の、日本はキリスト教社会ともイスラム教社会ともどちらにも属していない、そういう立場からもう少しテロとの戦いで貢献ができることはないだろうかという指摘と受け止めました。
 確かに、日本がそういう文明間対話を促進するというのは大切な役目だと存じておりまして、例えば対中東文化交流・対話ミッション、これには既に三回派遣をしておりますし、イスラム世界との文明間対話セミナーにも四回、大体中東を中心に開催をされておりますけれども、参加をしておりまして、御指摘のとおり、日本らしい外交努力を引き続き模索し、続けてまいりたいと存じます。
○岡田直樹君 この極めて難しい相互理解の橋渡し、日本が果たせるように、どうか御努力をお願いしたいと思います。
 この特措法もだんだんと長期化をしてまいりまして、二年刻み、一年刻みで延長を重ねてきたわけでありますけれども、これが終わったとしても、あるいは北朝鮮の船舶を検査する活動、その後方支援をしなくちゃいけないといった、そういう事態が生じるかもしれない。何か事あるごとに次々と特措法を作って対応をしていくというのには限界があるのではないかと、こういう意見も強まってきておるように思います。
 国際平和協力が自衛隊の主要な任務になりつつある今日、一般法、恒久法という形での検討に入る時期がそろそろ来たのではないかと、本会議でこういう質問が出まして総理の御答弁もありましたけれども、いま一歩踏み込んだ形で外務大臣、また防衛庁長官の御見解もお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、日本の場合は平和ということによって恩恵を被っているという点に関しましては、これは、ほとんど自然資源に恵まれていない、それから加工貿易によって成り立っている国ですから、そういった意味では通商が、通行が自由に行われるか否かというのは、これは、その地域が戦闘状態になりますとそれは非常なハンディを被ることになる。したがって、国際の平和というものに関しましては、これは日本の繁栄と直結しておりますんで、今後とも日本としては引き続きこの国際協力とか平和の協力とかいうものに関して積極的に実施していくというのは、僕は日本として今後欠くべからざる方向になりつつあると思っております。
 冷戦時代は余り考えなくてよかったと思いますが、今、冷戦が終わってこの十五年間、明らかに地域紛争、宗教戦争等々は前より増えておるというのが実態であります。したがって、今の状況の方がより争乱、動乱というものが起こり得る可能性が各所に見られるというのは、これは日本にとっての国益を損なうということになろうと思いますんで、そういった意味ではこの平和協力に対して我々がどうやってかかわっていくべきかということに関しまして、今おっしゃったように、たんびたんび特別法ではなくて一般法としてという御意見というのは、これは最初にこの法案が出たころからもう既にあった話だとは思います。
 したがいまして、今、政府内でもいろいろ、また与党の中にもいろいろ御議論が行われておりますし、またマスコミ等々においても、一般の中でもこの種の話は特にこの数年出てきたかなという感じがいたしておりますんで、こういった国民の議論というものを十分に踏まえた上でこういったものを真剣に検討されていってよい時期になりつつあるのではないか、そんな感じがいたしております。
○国務大臣(久間章生君) 一般法という形で、具体的にどういう内容かによって非常に難しい点が実はあるんじゃないかと思うんです。
 私はかねがね言っているんですけど、例えばこのテロ特措法というのは非常に希有な例で、アメリカが戦争をやる、それに日本としても、武力行使はしないけれども、やはりできるだけの協力はするという形で法律を作ったわけでございまして、こういう例が一般法としてそう出てくるかという、そういう気がいたしております。
 一方、復興支援のイラク特措法だったら、これはいわゆる国連決議に基づいて参加する形になりますし、あるいはPKO法もそういう点では一般法としてのあれはあるんですけれども、テロ特措法まで含んだ形の一般法となるとこれは非常に難しいなという感じがしますので、私は、あってくれた方がその都度その都度立法せぬでもいいから防衛庁としては助かりますけれども、立法技術として、それまで含んだ、このテロ特措法みたいな法律体系といいますか、これを含んだ形の一般法というのが果たして技術的にできるんかなと、法制局も踏まえて閣法でやろうとするとなかなか難しいなという、そういう思いがしますので、割と慎重な意見を出しているわけであります。
○岡田直樹君 それでは、残り時間わずかでありますけれども、ちょっと話題を変えまして、これまでとも関連をすることでありますけれども、弾道ミサイル防衛についてお伺いをしたいと思います。
 北朝鮮の核実験の結果は定かではありませんけれども、昨日、長官は講演をされて、近々その判定ができるのではないかと、こういうふうにおっしゃったとも新聞報道で見ておりますけれども、しかし、相当大きな爆発があったということは事実でありますし、小型の核弾頭というものを積んだ弾道ミサイルが日本に向けられるという、そういう懸念というものも否定できない。そして、あの国の独裁者や軍部がどういう方向に暴走するかということも分からない。
 そうした現状の中で、日本周辺では、アメリカ海軍のイージス巡洋艦、シャイローというんでしょうか、その一隻しか北朝鮮のミサイルに対応できない、それもどのぐらいの確率で迎撃ができるか分からないわけであります。極めて心細い状態であります。
 日本のイージス艦はいつになったらその対応ができるのかと、例えば地元でこういうお話をしますと質問を受けることがあるわけでありますが、その性能向上を前倒しにしても、一隻目の改修が終わるのは来年の末と、こういうお話であります。
 もう少しスピードアップができないのか、これは技術的な問題があるんでしょうか、あるいは、予算の問題であれば、例えば補正を組むとかあるいは予備費を使うといったようなことができないのか、この辺りについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(久間章生君) ミサイルの問題にお答えする前に、昨日、核実験が行われたということを日本も間もなく言うんじゃないかというようなことを言ったという報道ですけど、ちょっと違うんです、正確には。
 アメリカはその確証を持ってやったというふうなことを発表しておると。我が国としてはそういう事実をつかんでいない。これからも、つかめるかどうか努力はしているけれども、情報収集やっているけれども、できないかもしれないが、アメリカがそういうことを発表しているという内容等を把握しながら、あるいは世界各国がやっぱりやったんじゃないかというようなことを言っているときに、日本としてもやっぱりそれを何らかの形で、まあこれだけの確信を持って言っているならばそうだろうというような、そういう認識は持つに至るんじゃなかろうかというような、そういうことで言っているわけでございますんで、どうかひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
 それから、ミサイル防衛については、やはり物理的に急がせてもなかなか難しい点が実はございます。こういう状況でございますから、できるだけ前倒ししてやりたいという思いはございますし、またそのためには、予算も十九年度で要求をして前倒しをお願いしていますけれども、やっぱりPAC3についても十九年の末になるだろうし、あるいはまた、SM3についてもその翌年になるんじゃないかと。しかし、私たちの気持ちとしては、できるだけ前倒しで可能なものならばやらせたいと、そういう思いで今取り組んでおるという、そういう点について御理解賜りたいと思います。
○岡田直樹君 もう一つの迎撃手段でありますペトリオット、PAC3の方でありますが、大都市、首都圏を始めとする日本の中枢を守るために四か所、これはいずれも太平洋側に配備をされるということであります。
 私どもは石川県で日本海側なんですけれども、どうしても心理的な脅威というのは、日本海側、まあわずかなことでありますけれども、朝鮮半島と向き合って、強いわけであります。日本海側にこうしたPAC3配備されることを検討されますか。
○国務大臣(久間章生君) このPAC3は、日本全国で十六基ほど、しかしイージス艦等については三隻ほど、そういう配置をしますが、日本海等にはやっぱりイージス艦等の配置もあるわけでありまして、そうしますと高射群があるところに、高射隊があるところにPAC3を置いて、そしてそれは移動可能でありますから、そういう状況の中である程度の移動はするという、そういう体制でやっていきますとまあかなりの分野はカバーできるんじゃないかというふうなことで、今そういう配置を考えているわけでありまして、決して日本海はもう放置しているというわけじゃございませんで、そういうイージス艦の配置等もありますし、全体の配置の中で見ていこうと思っているわけであります。
 そして、幸いなことに、沖縄については米軍がPAC3を置いてくれました。だから、沖縄の方までは我が国の今の予算の中で追い付かない点を先にやってくれたわけでございますから、むしろ沖縄の人は喜んでもらいたいと私は思っているわけであります。
○委員長(柏村武昭君) ほとんど時間が来ております。
○国務大臣(久間章生君) 失礼しました。イージス艦は四隻でございます。
○岡田直樹君 質問を余しましたけれども、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

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