166-参-北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会-2号 2007年06月04日
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。
月曜日の委員会ということで御通告の余裕がありませんでしたが、先ほど白委員もお触れになった脱北者の問題について少しだけお話をし、お伺いをしたいと思います。
事実関係はまだ捜査中ということでありますが、ある報道によりますと、青森に来た脱北者の一家四人の乗っていた船というのは、長さが七メートル、幅は一・八メートルしかないと、大変ちっぽけな木造の船でありまして、この船に乗って北朝鮮の清津から五日間、九百キロ余りを乗り越えて、日本海の荒波を越えて日本に逃れてきたということで、証言によれば、一日置きにパンを食べるのがやっとであったという北朝鮮の厳しい食料事情を始め、人民の生活、その厳しさをうかがうことができると思います。
私、もう十年近く前になりますけれども、新聞記者として二度北朝鮮を取材したことがございます。当時、北朝鮮は拉致ということを絶対に認めなかったわけでありますが、食糧援助が欲しいということで、水害の被災地は我々記者も見ることができたんであります。本当に悲惨でありました。子供たち、栄養不良でやせ衰えて、頭にかさぶたのできたようなそういう姿を見ると本当に胸が痛んだものであります。しかし、あの国は国全体が腹をすかしているかというと、そうでもなくて、あるところにはあるということもまた私は分かりました。
石川県、私の地元石川県の能登の人で、寺越武志さんという人が昭和三十八年以来北朝鮮にいるわけです。これは、私はある種の拉致に違いないということを確信をしてきました。しかし、非常に早い時期から生存が確認をされてきたという非常に特異なケースでありまして、ある意味では北朝鮮の宣伝材料に使われているような嫌いもあるわけであります。
その寺越武志さんの住んでいるアパートを訪ねたら、これがまあどんと二十数階建ての高層マンションでありまして、そのワンフロア、部屋数を数えたら七部屋か八部屋ぐらいある豪邸でありました。そこにいろんなヨーロッパ製の家電製品なんかも置いてある。何でこんなにいい待遇を受けているかといえば、日本向けのプロパガンダというところもあると思うんです。ピョンヤン市労働総同盟の副委員長というような、そういうお飾りでありますが幹部待遇を受けている。で、食料も十分に配給があると。
恐らく北朝鮮の朝鮮労働党の幹部であるとか、あるいは人民軍の幹部であるとか、そういったごく一部の上の方だけそういういい待遇を受けているんではないかと、そういうふうに思いました。金正日とかその取り巻きは、もっともっとぜいたくをしているということは容易に予測が付くわけであります。
社会主義を標榜しながら、この貧富の差というのは一体何だということを当時思いました。まあ社会主義なるがゆえに貧富の差が大きいのかなと、そういうことも思ったわけであります。本当に自国民をまともに食わせることのできない指導者が、何か、すしのトロとか霜降りの松阪牛とか、そういうぜいたくなものを口にしているという話を聞くと、本当にもうはらわたが煮えくり返るような、そんな思いがいたしました。
我々にとっては、一番大事な問題は日本人のこの拉致被害者を救うこと、拉致疑惑の解明であります。しかし、日本人だけじゃなくて、金正日体制が北朝鮮の人民を抑圧して非常に悲惨な生活に陥れてきたというこのことも忘れてはならないと、こんなふうに思いまして、自民党に入っても北朝鮮の経済制裁シミュレーションチームというところで、北朝鮮人権法の原案のようなものを今の菅大臣や山本一太さんとかそういった方々と一緒に議論をしたわけであります。先ほども引用がされましたけど、その中に「脱北者の保護及び支援に関し、施策を講ずるよう努める」と、はっきりと書いてあるわけであります。
今回、済州島での会談で、麻生大臣は韓国の宋旻淳外交通商大臣とともにお話をされて、人道的な原理と当事者の希望に従って処理をすると、こういう御発言もあったと聞いておりますが、麻生大臣のこの問題に対する御感想と、そして韓国の大臣との間でどういうやり取りが交わされたかということをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 昨日、済州島において宋旻淳韓国の外交部長との間で、青森県に漂着をしたと言われております、その当時、北朝鮮出身者と思われる四名のことについての照会が向こうの方からあっておりまして、私の方はその段階で、今現在の段階としてもうこっち来ておりましたので、こっち来ているというのはその済州島に来ておりましたので、現在、警察又は法務省の入国管理局で今調査をしている真っ最中なんで、その結果を踏まえてちゃんと対応しますという話を先方にはいたしております。
外務省としては、これは当然のこととして警察庁とか法務省というところと連絡をしていろいろ情報を収集した上で、これは本人、四人おりますので、この本人、この四人が同じ希望をするという話とまたばらばらになったりする、よくある話ですので、四人の意向というものをよく踏まえた上で、いわゆる人権とか人道上の見地から我々としては対応しますという話をしておりますので、韓国政府がそれに対して、韓国政府に亡命ということを向こうが仮に望んだ場合につきましては、あらかじめ日韓外相間において、私の方から改めてそちらの方側に対して状況の説明を行いますという話をして、その問題につきまして両外相間の話はそこで終わっております。
○岡田直樹君 その当事者の四人が望むならば韓国に渡ることができると、そういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本としては、向こうが受け入れると言うんであれば、そのように対応ができればと思っております。
○岡田直樹君 先ほど申しましたチームでいろいろ議論をしていたときに、しかし、現実に脱北者がどんどん日本へ来た場合どうするかと。昔のインドシナ難民の例も念頭にありましたし、現実にどこまで日本の国として対応することができるんだろうかと、そういう議論もあったわけであります。しかし一面では、余り、日本に入ってきたからといって日本に定住を望む北朝鮮の人というのは比較的少ないのではないか、あるいはそれを日本に定住させるということは非常に困難なのではないかと。むしろ、韓国に渡るその中継点といいますか、そういう形で日本が脱北者の保護なり支援をすることの方が現実的ではないかと、そういう議論が当時からあったことを覚えております。
今回、脱北者が、まだその意思もはっきりいたしませんけれども、韓国に渡りたいということであれば今回道を付けて、そしてこれからも日本と韓国の間にそういうチャンネルというものを一つ開いておくということが重要ではないかと私は思っております。これは法務省とかいろんな関係の省庁にもかかわることでありますけれども、今回、韓国の外務大臣とも協議をされた麻生大臣のこの問題についてのお考えを、今後についてお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 岡田先生、ナホトカ号事件というのを、石川県も影響を受けられましたので、ナホトカ号事件を思い出していただけると分かると思いますが、少なくとも、エンジンなしであの地域から船になりますと、いわゆる日本海流に乗って漂着するところは日本海沿岸の石川県以北というのが、この間の油の流れ方とほぼ同じというのになりますので、今回は青森県に漂着ということになっております。したがいまして、もし何かあった場合に、これ大量の難民が発生する可能性ゼロではありません。
先ほど白先生からお話があっておりました点と同じでありまして、今回はこれは武装難民じゃありませんけれども、武装難民ということもこれは十分に考えておかねばならぬということも、いろいろなことを考えておかねばならぬと。また、日本に亡命する人が、その人がスパイでないという保証はありませんから、そういった意味ではいろんなものも調査せねばならぬということで、これは難民というのは簡単にかわいそうだというようなレベルの話とは全く違うというのはもう基本だと存じます。
その上で、今きちんと対応した上で、これは人道的な見地に立って対応するというときになりましたときに、韓国に亡命をしたい、韓国側もそれを受け入れる用意があるというのであれば、それなりの対応というのは、これは人道上の見地からとかまた人権上とかいろんな表現あろうと思いますが、そういった意味から、この種の話の解決に日本政府としていろいろな対応の仕方があろうかと存じます。
○岡田直樹君 大臣おっしゃるとおり、今回も、韓国へ行こうと思ったけれども、警備が厳しいと考えていったん日本へ入ってきたということでありまして、これは本当に腹をすかせて、食料やあるいは自由を求めてきた脱北者であると思います。しかし、中には、工作員が韓国へ潜入したいけれども、そこは非常に警備が警戒が厳しいから日本を経由して入り込もうと、こういうことも十分考えられるわけでありまして、この辺りの見極めが非常に難しいとは思いますけれども、大臣、今御答弁になりましたように、人道的なあるいは人権上の見地からこうしたチャンネルというものを韓国との間に持っておく、そのことは非常に重要なことであると思いますし、大切な御答弁をいただいたと思っております。
それでは御通告した質問に戻りまして、さきにドイツのポツダムで行われましたG8の外相会合で、麻生大臣非常にリーダーシップを発揮されて、議長声明に北朝鮮の核問題と並んで拉致問題の早期解決ということも明確に盛り込んでいただいたと。改めて、この拉致問題の解決に向けた大臣の意気込みをお聞かせください。そして、このG8外相会合の成果についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) ポツダムのG8サミットというのが先週行われておりますけれども、ちょうど一年前、モスクワで同じような会議をやりましたときには、この拉致という問題を議長声明、当時はロシアが議長国でもありましたけれども、議長声明をこれに盛り込むに係りましては、これは物すごい手間と、いわゆる交渉が大変だったのが記憶にありますけれども、今回は議長国がロシアからドイツに移ったこともありますし、ロシアもいわゆる制裁というものに少なくともステップアップ、段階、レベルを上げておりますので、そういったところでは前に比べては確かに楽になったというのは事実だと思いますが、しかし、アブダクションという言葉と人権という言葉と二つ入れるというのが今回できておりますのが前回とは違った形になったと思っております。
いずれにいたしましても、安保理決議の一七一八を着実に実施してもらうんだというのは、これはみんな全会一致で決まったんだから、このとおりに実施してもらえばそれでいいんだという話で、私どもとしては、これは断固、この圧力というものを強化しない限りは少なくとも向こうが乗ってくることはないというのはこれまでの経過ではっきりしているので、こういった圧力を強化すべきなんだということをしつこく主張したところであります。
拉致問題に関しましては、これは、これの解決をしないと日本からのいろいろな支援というのは全く期待しないでもらいたいと。従来、大体こういうのは日本が金だけ出させられるという話はよくある話なんですが、うちは出さないと。少なくとも、これに関して何らかの進展がない限りはうちは出す気はないという話を前回申し上げて、今回もそれを再確認することになりましたので、その意味では、今回、拉致問題を含め、いろいろ私どもの発言に対して一番最初に多分、この問題に関して最初に発言を求めたのはアメリカだと記憶します。アメリカはこの話に最初に乗ってきておりますので、いろんなことができるようになったと思いますが。
いずれにいたしましても、最初がグレンイーグルズですから、これで三年連続だと思いますが、北朝鮮に関するいろいろな国際的な連携というものが、三年連続G8に出ておりますのがラブロフでありますけれども、こういったところでその種の理解というものが前にも増したということだけははっきりしておりますので、こういったようなものはやっぱり、みんなでこう言っている、国際世論はこうなのよ、日本だけが言っているんじゃないと、国際世論がみんなこうなんだということが大事なので、その意味では六者協議の枠組みというのは非常に大きいものだと、私はそう思っておりますので、このG8サミット、六者の中に出てきておりますのはその中ではロシアとアメリカなんですが、このG8においてはイギリスも中国もこれに乗ってきておるというところが大きかったと思っております。
○岡田直樹君 以前にこの委員会で、私、今日もお越しの横田さん、そして奥様に御質問をしたことがあります。そのときに、お母さんの方から、もっともっと怒ってほしいと。どうも日本の政府にはまだまだ怒りが足りないのではないか、この拉致問題に関してと。もちろん、我々国会議員にも向けられた厳しいお言葉であったと思いますし、そのことをかなりアメリカには伝わってきたと思うんですが、これをもっともっと国際社会に共通の怒りとして共有をしていただきたいと、こんなふうに思います。
ハイリゲンダムのサミットでも、共同声明の中にこうした拉致問題に関する各国の認識、これを明確に、そして強いメッセージで書き込んでいただきたいと思うわけでありますが、この点については見通しはいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、あしたから安倍総理も参加されてのいわゆるハイリゲンダムにおきますG8、いわゆる首脳会議が始まるところですけれども、拉致問題がしっかり取り上げられるようにということで、このG8の外相会議の声明の中にあれをきちんと書き込まさせていただいておりますので、そのところに対しては拉致問題の早急な解決を含め国際社会の人道上の権利と、これはもう一回また拉致とは別に人道上という言葉を入れるということができましたので、こういう議長声明というのを少なくともドイツが出しておりますので、そういった意味におきましては、六日から行われますこのハイリゲンダムのサミットにおきまして、議長総括の内容というものをこの段階で、我々議長国ではありませんので、こんな内容になりますということを今この段階で申し上げる内容を持っているわけではありません。
しかし、日本といたしましては、アメリカはもちろんのことですけれども、ロシア、中国を含めまして、このメッセージというもの、G8の外相会議で出たメッセージというものがきちんと首脳会議の議長声明の中に出されるように、そういったことに関しては今確約できるわけではありませんけれども、最後まで外相会議同様、この種の問題につきましての内容が盛り込まれるように努力をしてまいりたいと考えております。
○岡田直樹君 非常に積極的なお言葉をいただきましてありがとうございます。どうか御努力をいただきたいと思います。
それから、先ほどから再三出ておりますけれども、二月の六者会合での合意から百日以上もたちまして、しかし初期段階の措置というものもまだとられていないと。バンコ・デルタ・アジアですか、銀行の送金を元のとおりにせよと、非常にこだわって一切の措置をとらないと。日本の側からもあるいは各国からも、忍耐にも限度があると、必要があれば圧力を強化すると、こういうメッセージも発せられておるわけでありますが、一つちょっとけげんに思うことは、北朝鮮の方もこれを実行して五万トンなりその次の九十五万トンなり重油も欲しいと思いますし、韓国の米も欲しいと思うんですが、しかしながらこの初期段階の履行さえしないと。この原因というのはどこにあるのか、ちょっとなかなか読みにくいところではありますけれども、大臣、何かお考えがありましたらお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは岡田先生、相手側の話ですので想像の域を超えない部分もあろうかと存じますが、最初に五万トンの話、百万トンの話というのをこれは日本側やらアメリカやらが提案したということはありません。これは全然、第三国、我々、アメリカ、日本以外の国がこの案を提案して、その話なら寧辺の話、IAEAの話というのに乗ると言ってきたのが北朝鮮。したがって、これが大きなものに飛び付くものになったえさという表現はちょっと余り正しい表現じゃないですな、もう少し上等な表現が参議院では使わにゃいかぬのでしょうけれども。そういったような提案を受けて、向こうはその段階で、我々はその段階ではこんな話はやる気はない、日本は全くやる気はないと、アメリカもやる気はないという話をしていたのに、いきなり寧辺、オーケー、ウオッチドッグ、オーケーと来ましたものですから、本当かと。それならちょっと話といって、そこからあの話がスタートしておりますので、二月の十三日に協定ができ上がるまで結構いろいろ話がありましたけれども、その話から比べてみまして今の状況というのは、米の話まで、韓国からの米の話も止まっております。
そういった段階は、明らかに、やっぱり北側としては一致結束してというところはかなり予想を超えていたかなと思っておりますが、ロシアの制裁のレベルも上がりましたし、いろんな意味でちょっときつくなってきているだろうなという想像に難くありませんけれども。じゃ、その段階として核のいわゆる燃料抽出等々の話を止めるかというと、これは国内事情、なかなか軍との関係、党との関係はかなり難しいものがあって、これをもし止めた場合は軍との関係がもたなくなるとか、いろんなことは、これは想像の域を超えませんので、ちょっと何ともそれ以上は申し上げられませんけれども。今かなり押したり引いたりの、何というんですかね、チキンレースというんですか、そういったような、かなり押したり引いたりの瀬戸際のところに来ているかなという感じはいたしますけれども。
いずれにしても、韓国は、従来ですとこの段階でもう既に米は輸出しているはず、輸出というか供与しているはずですけれども、それを止めておりますし、例の汽車が開通した話見ましても、韓国の新聞は一杯書いてありますけれども、北朝鮮の新聞には全くあれは小さな囲みでしか出ておりませんから、そういった意味では、受け止め方というのは我々とはおよそ違うところだと思って見ておかないといかぬなと思っておりますので、この段階でちょっとそれ以上、想像の域を超えません。
○岡田直樹君 おっしゃるとおり、想像の域を出ないわけでありますし、しかし今御答弁になったように、軍を始め国内の体制を安定させるためには、やはり重油も欲しい、食料も欲しいと思うのが普通だと思うんですけれども、それよりも何かBDAのこの送金の問題を北朝鮮は重視している。これはやっぱり金正日や側近のところに現金が行かなくなるのが一番嫌なのかなと、そんなことも想像をしたくなるような現象があるわけでありまして、だとすれば、相手の困ることは圧力になるわけでありますから、この送金を始め金融制裁というものを緩めるべきではなくて、むしろもっと持続をして強化をしていくということが必要ではないかと。
もちろん、対話の努力を続ける、しかし、もし必要とあらばそうした制裁を強化していく。特に金融制裁というものは非常に大事なポイントではないかと思いますが、この点について大臣の御所見をお願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、BDAのことに関して言わせていただければ、これはアメリカも驚くぐらい効果があったことははっきりしていると思います。たかが二千五百万ドル、個人じゃでかいですけど、国家で二千五百万ドルって約二十五億、約三十億弱の話ですから、それほど、幾ら最貧国とはいえ、それが国家の一大事というほどのあれだとは思いませんけれども、しかしこれの持っております影響というのは、制裁を加えたアメリカの財務省の予測をはるかに超えていたことは確かだと思います。
それは送金といういわゆる銀行の為替の話になりますけれども、ここらのところの基礎知識がないと、いわゆる凍結という意味が余り正しく理解されていなかった、多分、向こう側も。そこが凍結の意味が分かって、凍結解除になっても、その二千五百万ドルの凍結が解除になっても、その他の銀行業務としてアメリカのいわゆるいろんな意味のオンラインとか、いろんなものがすべて使えなくなるということになると、これは為替とか送金とかすべてができなくなるというのは、それは銀行一つ全く動かなくなるというのと同じことになる等々。これが、元はといえばマネーロンダリング始めいろいろなアメリカの国内法に違反しているところからスタートしておりますので、いろんな影響というものがそれはある程度想像しておったとは思いますけれども、これほど直接効果が大きいとは思っていなかったとかいうのがアメリカ側も北朝鮮側も多分そうだったんではないか、これも想像の域を超えませんけれども。
したがって、国務省と財務省と司法省と、いろいろ何かこの種のことに詳しい役所とそうでない役所とに差が出たということもあり得るとは思いますが、いずれにいたしましても、この種の話に効果があるんであれば、日本としてもこれを送金とか為替とかいう問題は非常に効果があるというのは、これはもうそこにお手本がありますので、今後の参考として使える参考資料にはなったと存じます。
○岡田直樹君 最後に、先ほどテロ支援国家のアメリカの指定解除というのは当分ないのではないかというような予測も示されたわけでありますけれども、心配なことは幾つかありまして、例えばよく言われるのは去年のテロ活動に関するアメリカの年次報告書、その記述が、北朝鮮について拉致事件などの記載が例年よりも少なくなったと、こういうことも聞くわけであります。
アメリカがテロ支援国家の指定を解除するというような形で、日本を置き去りにした北朝鮮に対する融和策に傾いていくことを私は懸念しておりますが、この点について、今後もテロ支援国家の指定を外さないように、拉致事件が一定の明確な前進を見るまでは決して解除すべきではないと、こういうふうに大臣からも発信をしていただきたいと思います。この辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 四月末、いや五月の初めになりますが、日米外相会談の席において、この報告書が出されたその日なんですけれども、今御指摘のありました点に関しましては、ブッシュ大統領に対して私どもの方から、この記述が減ったということは拉致問題に対する関心が減ったというように取られかねないというのが日本側の最も懸念するところで、アメリカ大統領からしかるべき答えを首脳会談後の共同記者会見においても発表されておるんで、我々として重ねて言うことはないけれども、ライス国務長官として、この問題に関して別にそういう意図はないということだけはっきりしてもらいたいという話はして、事実そのとおり、全くそういった意図で減らしたわけではないという旨の確証はもらったところではあります。
いずれにいたしましても、今回のハンブルクにおけます会議におきまして、ライス国務長官に対して、短時間ではありましたけれども、この点に関しましてもう一回話をしておりますけれども、極めて明快な答えをもらっているところであります。
しかし、この種のことは岡田先生、やっぱり直接関係者じゃありませんものですから、拉致をされているわけではありませんから、拉致をされている人たちの側の方の痛みの方がはるかに大きいんであって、そういった意味では、こういったものを常にきちんとウオーニング、警告、言い続けるというのはすごく大事なことだと思いますので、今回に限らず、この種の問題というものにかなり時間を要しておりますけれども、言い続けるという態度と、これが解決しない限り圧力という話はし続けるという態度が大切なものだと思っております。
○岡田直樹君 終わります。
ありがとうございました。
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